WEC第7戦富士でポールポジションを獲得した7号車トヨタTS030ハイブリッドの中嶋一貴が、予選後の記者会見でポール獲得の喜びを語った。

 今季のWECでは、初陣となったWEC第3戦ル・マン24時間で初めてのスポーツカー耐久レースを戦った一貴。そのル・マンでは苦い結果に終わったが、続く第4戦シルバーストンでは、着実な走りをみせ見事2位表彰台を獲得していた。

 そんな一貴は、スーパーGTとフォーミュラ・ニッポンに参戦していることもあり、WEC第5戦ブラジル、第6戦バーレーンでは一時チームから離脱。今回の富士ではひさびさにトヨタTS030ハイブリッドのステアリングを握っていた。

 予選に向けフリープラクティス3からアタックシミュレーションを行っていた一貴は、FP3でただひとり1分27秒台に入れ予選を迎える。同じハイブリッドプロトのアウディ勢がライバルとなる予選で一貴に対するは、1号車アウディがブノワ・トレルイエ、2号車アウディがトム・クリステンセン。トレルイエは富士も熟知しており、熾烈なポール争いになることが予想された。

 しかし、一貴はアタック1周目ではLMP2のマシンに引っかかったものの、2周目ではクリアラップを取り、見事1分27秒499というタイムをマーク。その後、アウディの再アタックに備えピットで待機したが、チェッカー間際で自身初のWECにおけるポールポジションが決まった。

「僕にとってはとても意味があったポールポジションだと思います。チーム、そしてトヨタにとって母国でのレースですし、たくさんのサポートがありましたからね。多くの期待がかかっていましたが、僕自身にはあまりプレッシャーはありませんでした。でも、こうして日本でいい結果が出せて嬉しく思っています」と予選後の記者会見で語った一貴。

 ピットには豊田章男社長をはじめ多くのトヨタ自動車関係者が詰めかけていたが、「アタックをしている時にはあまりプレッシャーは感じていなかったんですが、クルマから降りた後にたくさんの方がいらっしゃっていて、とても大きな期待をされていたのだと気付きましたね」と大役を果たした一貴は振り返る。

 前日、「1分27秒5くらいは出したい」と語り、その通りのタイムを叩きだしポールを決めた一貴。しかし、「決勝に向けてもちろん勝ちたいと思っています。でも、アウディが強力なペースで戦ってくると思います。ハードにプッシュするだけですね」とまだ決勝に向けて気を緩めてはいない様子。決勝では燃費の関係上、アウディ勢を常にリードする展開に持ち込まなければ勝ち目はない。「セクター3は多くのトラフィックがあると思うので、慎重に気をつけながらプッシュしたい」という一貴とトヨタTS030ハイブリッドの決勝の戦いに注目したい。

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