12日に開幕したWEC世界耐久選手権第7戦富士スピードウェイで、アレックス・ブルツ/ニコラス・ラピエール/中嶋一貴組トヨタTS030ハイブリッドは、悲願の母国勝利に向けてFP1でトップ、FP2で僅差の2番手と、順調なスタートを切った。
第5戦ブラジルでWEC参戦後初優勝、第6戦バーレーンではマイナートラブルに見舞われ勝利を逃したものの、地元富士での優勝に向け万全の体制で乗り込んだトヨタTS030ハイブリッド。この日のFP1ではひさびさにTS030のシートに戻った一貴が大半のセッションをドライブしトップタイムをマークし、順調なすべり出しをみせた。
午後はラピエールがロングスティントをこなし、セッション終盤には他車と軽い接触に見舞われたものの、1号車アウディR18 e-トロン・クワトロとは僅差の2番手となったトヨタ。予選日に向けて、富士仕様とした新たなエンジンに交換する予定で、トヨタの地元勝利に向けた意気込みが感じられる1日となった。
そんな中、午前のステアリングを握った一貴は「午前中のセッションからTS030ハイブリッドは好調で、競争力は高いと思います。いくつか異なるセットアップを試してパフォーマンスを出せるよう作業を続けました。すべてが順調です」と振り返る。タイヤの温度レンジも、TS030ハイブリッドにちょうどいいコンディションになっているようだ。
ただ、トヨタ・レーシングの木下美明代表は「アウディはこのレースでは横綱。我々は小結」とチャレンジャーとしての立場を崩さない。ブラジルでは速さで優位に立ち、給油回数の差を跳ね返す走りで優勝を飾ったが、今回も同じような展開になるだろうと予想する。
「アウディに対して、最終的に1分近い差をつけて最後の給油をして、前にでていなければならない」と木下代表。「アウディは壊れないし、強さがある。我々は強さの面でいったらまだ足りない」という。
速さで逃げ切るトヨタか、堅実さと燃費で稼ぐアウディか。一貴も「決勝に向けての準備を続けなくてはならないし、セットアップについてもまだ若干改良の余地がある」と日曜日のゴールに向けて、緊張感が高い争いが続いていくことになりそうだ。
