12日に開幕したWEC第7戦富士で、ガルフレーシング・ミドルイーストの29号車ローラB12/80・ニッサンをドライブする井原慶子は、フリープラクティス1/2を合わせ20周ほどをドライブ。今季いちばんの快調な滑りだしに「すごく嬉しかったです」と笑顔をみせた。
今季、WEC世界耐久選手権に日本人ドライバーとして、また女性ドライバーとして唯一のフル参戦を果たしている井原。ガルフレーシング・ミドルイーストは昨年までLM-GTEクラスで戦っていたこともあり、プロトタイプカーは今年が初。また、ローラ・カーズの経営破綻でパーツの供給が滞るなど、なかなか結果に結びつけられないシーズンが続いていた。
そんな中、バーレーンでトラブルがあったこともあり、富士の水曜日に行われた走行では早めに切り上げ、しっかりとメンテナンスを行ったというガルフレーシング・ミドルイースト。その甲斐あってか、金曜のFP1/2ではトラブルフリーで走行。ポジションでもLMP2の上位に接近しており、順調なすべり出しをみせた。
「今シーズンでいちばんまともだと思いますね(笑)。しっかりメンテナンスしたのですごくマシンの調子がいいです。やっと戦闘力が出てきた感じで嬉しかったです」と金曜走行を振り返る井原。
ただ、レースクイーンから一念発起、レースキャリアを長年海外で積んできた井原にとって、この新しい富士スピードウェイは初体験。何か戸惑うことはなかったのだろうか? と井原に聞くと、「すごく楽しくなってきました。空気がいいからですかね(笑)」と笑顔で返してくれた。
「やっぱり自分の国の空気だとやる気が出るんですよね。今回は3人ともそこそこ乗れてタイムも出ていますし、セットも細かいところを考え始めている」と好調ぶりをアピールした井原。
「予選よりも、決勝の最後に表彰台に乗れるように今は頑張っています。ウチのチームもそういう流れに慣れていますからね(笑)。パーツがない中でも工夫してきたチームなので、その辺も長けていると思います」と今週末の目標をズバリ“表彰台”と定めてくれた井原。今回の“凱旋レース”に華を添えることができるのか、楽しみにしたい。
