今シーズンのアメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)でLMP1クラスのタイトルを獲得したマッスルミルク・ピケット・レーシングは、来季からスタートするユナイテッド・スポーツカー・チャンピオンシップ(USCC)で、ALMSのLMPCクラスが名を変えた『プロトタイプ・チャレンジ(PC)』クラスにフル参戦すると発表した。
ALMSのディフェンディングチャンピオンとして今シーズンを迎えたピケットは、今季も8勝を挙げ最終戦を待たずして2年連続のタイトルを獲得。最終戦プチ・ル・マンこそトラブルでリタイアとなったものの、シーズンを通して速さを見せた。
ただ、来季からALMSとグランダムが統合してUSCCがスタートするにあたり、LMP1カーが参戦できるカテゴリーはなくなり、最高峰となるのはLMP2とデイトナプロト、デルタウイングDWC13で争われる『プロトタイプ』クラスに。そのため、今季ALMSのLMP1に参戦しているチームは方針転換を余儀なくされる形となっていた。
「スポーツカーレーシングの変更で、来シーズンに向けて我々が異なる方針をとることになるのはわかっていた。他のレースシリーズも含めて様々な選択肢を検討してきたが、結局我々の心はスポーツカーレーシングにあって、チュードル・チャンピオンシップの一員であること以上の喜びを得ることはできないんだ」とチームの共同オーナーのグレッグ・ピケットは語った。
USCCではPCクラスとして争われることになる現行のLMPCクラスは、2009年にヨーロッパのル・マン・シリーズの一部として立ち上げられた『フォーミュラ・ル・マン(FLM)』のマシンであるオレカFLM09を使用するワンメイクのカテゴリー。カーボンコンポジットシャシーにカーボンブレーキ、Xトラック製のシーケンシャルミッションなどが装備されていながら、ランニングコストが安価であるなどのメリットがある。
ピケットは、昨シーズンの序盤3戦でLMPCクラスにも参戦しており、第2戦では全体の4位につけるクラス2位を獲得した経験も持っている。共同オーナーのピケットは、USCCにおいて新たなチャレンジに臨むことにわくわくしているのだと語った。
「PCカーで参戦することは、様々なレベルで我々に多くの意味をもたらした。我々はこのマシンを知っていて、過去には成功を経験している。そして、我々は更なる成功を楽しみにしている。PCクラスではとてもコンペティティブなシーズンになるだろう。そして、その一員となれることを非常に喜ばしく思っているよ」
USCCの開幕戦デイトナ24時間までは3カ月を切っているが、チームの準備は順調に進んでいるという。ピケットは、11月16~17日にセブリングで行われるIMSAのテストで、USCCの向けて初めてオレカFLM09を初めて走らせることになる。また、ドライバーラインナップを含む計画を来週以降公開していくということだ。