ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)は11日、シルバーストン・サーキットで第1戦の決勝レースが行われ、グリーブス・モータースポーツのゲイリー・ハーシュ/ビヨン・ビルドハイム/ジョン・ランカスター組41号車ギブソン015S・ニッサンがポール・トゥ・ウインを飾った。
LMP2クラスをトップカテゴリーとして、今季もヨーロッパでの全5戦で争われるELMS。今シーズンからは、プロトタイプカーの入門カテゴリーとして新たにLMP3クラスも新設され、今回の開幕戦にはLMP2/LMP3/LM-GTE/GTCの4クラスから計31台が参戦した。
WEC世界耐久選手権との併催となったELMSの開幕戦は、WECの予選日となった11日に予選と決勝が開催された。午前に行われた予選では、41号車ギブソンがポールポジションを獲得。2番手にJOTAスポーツの38号車ギブソン015S・ニッサン、3番手にティリエ・バイ・TDSレーシングの46号車オレカ05・ニッサンが入った。
決勝レースは、WECの予選後となる現地時間14時30分からスタート。予選トップ3につけた3台が上位を争う展開となったが、勝負は残り数周で決することとなった。終盤、46号車オレカとのバトルを制して2番手に躍り出た41号車ギブソンを駆るランカスターは、首位を走る38号車ギブソンに対して猛プッシュ。残り6分というところで接触しながらも首位を奪取し、そのままトップでチェッカーを受けた。
一方、41号車ギブソンに首位を奪われた38号車ギブソンは、この接触によりスピン。立てなおして首位を追うもコンマ4秒弱届かず2位に。3位には、今季のニューマシンとなるオレカ05を投入したTDS(46号車)が入った。また、4位には、今季からELMSでLMP2にフル参戦しているクローン・レーシングの40号車リジェJS P2・ジャッドとなっている。
なお、41号車ギブソンは、46号車オレカを抜く際にも軽く接触をしており、38号車ギブソンとの接触については審議対象ともなっていたが、ペナルティを下す要因がないとして不問となっている。
初レースとなったLMP3クラスは今回、参戦した5台ともにジネッタシャシーを採用。ワンメイクのニッサンエンジンを搭載したジネッタ・ニッサンのパッケージで争われることとなった。レースでは、チームLNTの2号車/3号車と、ラナン・レーシングの11号車ジネッタがバトルを展開。最終的にはクリス・ホイ/チャーリー・ロバートソン組の3号車が優勝。自転車競技のレジェンドであるホイが、モータースポーツの世界でもまたひとつ功績を残すこととなった。2位にLNTの僚友となる2号車が入り、3位にユニバーシティ・オブ・ボルトンの7号車が入っている。
LM-GTEクラスでは、シルバーストンのごく近くに拠点を構えるガルフ・レーシングUKの86号車ポルシェ911 RSRが優勝。86号車とバトルを繰り広げたJMWモータースポーツの66号車フェラーリ458イタリアが2位、AFコルセの55号車フェラーリが3位につけた。またGTCクラスでは、TDSレーシングの59号車BMW Z4 GT3が2位以下を2ラップダウンにする速さを見せて優勝を飾っている。