2010年にヨーロッパ選手権シリーズから世界選手権へ昇格するFIA GT1選手権のエントリー締切が、当初予定されていた12月から来年1月中旬まで延長されることになった。
FIA GT1へのエントリー規定には、年間エントリー費用の一括納入、シーズン中のドライバー変更の禁止、フル参戦の義務付けなどがあり、現在のエントリーが規定数(6メーカー計24台)に達していない状況のようだ。年間エントリーしたチームはFIAから渡航費用のサポートを受けられるが、新レギュレーション対応の車両開発費やチーム運営費など、資金面の問題が最大の要因と考えられている。
FIA GT選手権で4年連続シリーズチャンピオンを獲得しているドイツの名門、ヴィータフォンレーシングは、来年も継続してマセラティMC12で参戦することが確実。しかしもう1チームの参戦が確定していない。また、スイスに拠点を置き、FIA GT1とGT3の両選手権においてフォードGTで活躍するマテックGTレーシングは、10年用マシンの開発を完了したと発表した。フォードGTはドイツのマルクVDSレーシングからも参戦するようだ。
同じくFIA GT3からはドイツのライターエンジニアリングが、GT1用のランボルギーニ・ムルシエラゴをベースとしたP670 R-SVを今年のスパ24時間レースで発表している。しかしこのマシンはライターが参戦するためものではなく、プライベートチーム用のものだといわれている。
既に参戦表明をしているニッサンは、10年規定のGT-Rでスポットテスト参戦をしたイギリスのギガウェーブ、そしてK plus K・モータースポーツのサリーンSR7をメンテナンスしていたスイスレーシングが参戦することになりそうだ。先日のニスモフェスティバルで披露された2台の新型GT-Rは、すでにヨーロッパに送り出されたという情報もある。
アストンマーチンはヘキシスがDBR9を参戦させることを発表。フィッシャーもヘキシス同様若手育成プログラムとして参戦を予定している。またシボレー(GM)の参戦も確定しているようだ。
エントリー締切は10年1月15日の0時(ヨーロッパ中央時間)。世界選手権にふさわしいエントリー数で、華々しい新カテゴリーの幕開けを期待したいものだ。