インターコンチネンタル・ル・マン・カップ第3戦、中国珠海

ポルシェ911 GT3 R ハイブリッド:最速かつ最も効率の高いGTカー

ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:マティアス・ミューラー)は、中国の広東省珠海で開催されたインターコンチネンタル・ル・マン・カップ第3戦の1,000 kmレースで大きな成功で収め、今シーズンを締め括りました。ポルシェ911 GT3 Rハイブリッドは、ポルシェのワークスドライバーであるイェルク・ベルクマイスター(ドイツ)/パトリック・ロング(米国)組のドライブにより、再びその優れたパフォーマンスと効率で観客を魅了し、他の追従を許さない最速のGTカーとなりました。
また、ポルシェのワークスドライバー、マルク・リーブ(ドイツ)/リヒャルト・リーツ(オーストリア)組もポルシェ911 GT3 RSRでGT2クラス2位入賞を果たしています。この結果、フェルベマイヤー・プロトン・チームが今年新たに始まったインターコンチネンタル・ル・マン・カップにおけるチーム優勝を果たしました。

1周4.319 kmの珠海国際サーキットで、特設のGTHクラスに参戦した911 GT3 Rハイブリッドは、最速の車両であっただけでなく、もっとも経済的なGTカーでもありました。革新的なドライブコンセプトにより、他のGTカーに比べてピットストップ回数は1度少なく、周回数は3周多いという結果を達成しています。「私達の車両はスタートからフィニッシュまで完璧な走りを見せました」とイェルク・ベルクマイスターは語っています。「今回も、レース環境でのハイブリッドシステムの過酷なテストとなりましたが、私が想像しうる最高の結果が出ました」。アメリカン・ル・マン・シリーズのGTタイトル2連覇を果たしたチームメイトのパトリック・ロングは、「ポルシェのワークスメカニックのパフォーマンスは世界トップレベルでした。そして、私達のクルマはもっとも効率が高く、もっとも速いGTカーでした。そして、これこそ私がポルシェ インテリジェント パフォーマンスと呼ぶものです」と述べています。

「911 GT3 Rハイブリッドで参戦した中国での初レースでは、完全な成功を収めました」とポルシェのモータースポーツ部門のトップであるハルトムート・クリステンが話しています。「レース中、技術的な問題は何ひとつ発生しませんでした。ヴァイザッハのワークスチームはピットで優れた仕事をこなし、ドライバーもまさに完璧なパフォーマンスを発揮してこの成功を勝ち取りました。前回のロードアトランタでのレース以降、私達が行ってきたハイブリッドシステムの開発が実を結んだ形です。今日、私達はハイブリッドテクノロジーがもつポテンシャルを感動的な形で証明できました。この結果で、さらに大きなやりがいをもってこのプロジェクトに取り組むことができます。今日のレースが911 GT3 Rハイブリッドの最後のレースだということは決してありません」。

フェルベマイヤー・プロトン・チームの1号車でスタートを担当したマルク・リーブにとって幸先の良いレースとは言えませんでした。1周目のフェラーリとの激しい争いで、リーブの911 GT3 RSRはタイヤにダメージを受け、このため最下位に後退します。そこからリーブとチームメイトのリヒャルト・リーツは息を呑むような猛プッシュを見せ、間もなくトップグループに追いつきます。レース中盤に、2年連続となるル・マン・シリーズのGTタイトルを獲得している彼らは、3位に浮上して間もなく、フェラーリもオーバーテークし2位でチェッカーを受けました。

「残念ながら勝利には手が届きませんでしたが、それでもポルシェにとってすばらしい日だったと言えると思います」とリヒャルト・リーツがコメントしています。「タイヤのバルブが破損して、1周目でマルクがピットに入らざるを得ない状況になってしまったのは、残念でした。しかし、私達はそれを気にしないように努め、トップに戻ることだけに集中しました。事実、私達はその過程を大いに愉しむことができました。もちろん、表彰台に立てたのも大きな理由です」。これにマルク・リーブが続けて、「今年は、私達のチームにとって、ほぼ完璧なシーズンでした。今日のレースでは、私達はすごく速かったのですが、序盤、不運に見舞われてしまいました」と振り返りました。

マルティン・ラジンガー(オーストリア)/クリスティアン・リード(ドイツ)/ジァンルカ・ローダ(イタリア)組がドライブするフェルベマイヤー・プロトン・チームが投入した911 GT3 RSRの2号車は、ゴールまで1時間を切っているときにプジョーのプロトタイプの無理な追い越しのためラジンガーがグラベルに押し出されたにもかかわらず、4位と健闘しました。この元ポルシェ ジュニアのラジンガーはピットに戻り、10分を失いました。しかし、フェルベマイヤー・プロトン・チームのテントは盛り上がりました。「チームにとって、今年はすばらしいシーズンとなりました。まず、ル・マン24時間での勝利、ル・マン・シリーズでの勝利、そして今日のインターコンチネンタル・ル・マン・カップでの成績と、これ以上望むべきことはありません」とフェルベマイヤー・プロトンのチーム監督兼ドライバーであるクリスティアン・リードが話しています。「成功するには、すべてがスムーズに行かなければなりませんが、私達のチームはまさにそうなっていました。リタイアはありませんでした。ポールポジションからのスタートが一度もなかったにもかかわらず、私達は3つのレースで優勝しました。これは、良いマシン、優れたドライバー、卓越したチームが揃って初めて実現できることです」。いち早くスタッフの祝福に駆けつけたのは、ハルトムート・クリステンでした。「私は、フェルベマイヤー・プロトン・チームがチーム部門で優勝したことに特に感激しています」。

リチャード・ウエストブルーク(イギリス)は力強いドライビングを見せたものの、プロスピード・コンペティション・チーム911 GT3 RSRはチェッカーフラッグを受けることができませんでした。元FIA GTチャンピオンであり、スーパーカップでも2冠を達成しているウエストブルークは、チームメイトのダリル・オーヤン(香港)とともに表彰台圏内の走りをしていましたが、119周目にクラッチトラブルでレースを終えました。「本当に残念です。私達は3位のポジションで好調でした」とウエストブルークがコメントしています。「チームのメカニックができる限りのことをしてくれましたが、時間切れになってしまいました」。地元のヒーロー、ダリル・オーヤンは、「このサーキットにおいて911 GT3 RSRでレースできたことと、これほど多くのファンに応援してもらえたのは、すばらしい経験になりました。レースのたび、このクルマをより深く理解できるようになっています。トラブルがなければ、私達は表彰台に立っていたはずです。そうなっていれば、私のキャリアのハイライトとなっていたでしょう。残念ながら、今回はそうなりませんでしたが」と語りました。

GT2クラスレース結果
1. ミュラー/ヴェルナー組(ドイツ/ドイツ)BMW E92 M3、202周
2. リーブ/リーツ組(ドイツ/オーストリア)ポルシェ911 GT3 RSR、202周
3. ブルーニ/ビランダー/メロ組(イタリア/フィンランド/ブラジル)フェラーリ430 GT、199周
4. ラジンガー/リード/ローダ組(オーストリア/ドイツ/イタリア)ポルシェ911 GT3 RSR、192周
5. アーレット/クワイフ/カーカルディ組(ドイツ/イギリス/イギリス)フェラーリ430 GT、191周
6. ジロア/ゲーテ/ファティアン組(フランス/ドイツ/フランス)ランボルギーニガヤルド、187周

GT2クラス、チーム部門最終結果
1. フェルベマイヤー・プロトン・チーム、ポルシェ、72ポイント
2. AFコルセ、フェラーリ、57ポイント
3. CRSレーシング、フェラーリ、47ポイント

GT2クラス、マニュファクチュアラー部門最終結果
1. フェラーリ、120ポイント
2. ポルシェ、113ポイント
3. BMW、69ポイント

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