FIA GT委員会は2日、2012年のFIA GT1世界選手権とFIA GT3ヨーロッパ選手権のスポーティング、テクニカルに関する規則とカレンダーを融合させる提案を行うと明らかにした。
FIA GT1世界選手権は、FIAの冠がかけられたGTレースの世界選手権で、2010年にスタートし今季で2年目。一方のGT3ヨーロッパ選手権は、GT3カテゴリーのレースでは最大規模を誇り、ヨーロッパで争われているレースだ。
両選手権を運営するSROによれば、2005年にGT3カテゴリーを提案した頃に比べ多くの車両がホモロゲートされており、GT3がGTによるスプリントシリーズの最高峰カテゴリーになることは、GT1車両の多くのホモロゲーションが切れつつある現在の状況において、論理的なステップだとしている。
「現在の厳しい経済情勢と、モータースポーツの絶えず成長している競争の中で、GT1ワールドチャンピオンシップとGT3ヨーロッパチャンピオンシップの規則を統一することは、我々が目指す10のブランドによる10チームのチャンピオンシップのためには最高の解決だろうと感じている」とSRO代表のステファン・ラテル。
「我々は2011年シーズン、出場車も報道された規模も、観客数も素晴らしい成績を収め、FIA GT1では中国、アルゼンチンと素晴らしいフィナーレを迎え、GT3でもザントフールトで素晴らしいフィナーレを迎えた。以前発表したように、2012年のGT1ワールドチャンピオンシップは、それぞれのブランドの代表的チームが戦うことになる。GT3のテクニカルレギュレーションを採用することにより、多数のブランドの参加への道を導いている」
「このように多数のブランドが揃うカテゴリーは、他に類を見ない。すでに来季の選手権には、今季FIA GT1のタイトルを獲得したヘクシスがマクラーレンで参加することを表明しており、他のいくつかのチームは、間もなく発表があるところだ」
ラテルによれば、来季のGT1ワールドチャンピオンシップはプロ、アマチュアによるドライバーの分類はなく、従来同様GT3カーはFIAによるバランス・オブ・パフォーマンスで均衡化される。
「FIA GT3ヨーロッパ選手権は、2006年以降多くのシリーズに影響を与え、そのフォーマットをコピーされてきた。来季以降、その性質を保ちつつ、よりプロフェッショナルとならなければならない。我々は世界選手権をベストなものにするべく、ヨーロッパ選手権を完璧なトレーニングの舞台にしたいのだ」
また、ラテルはこれに加え、現在のヨーロッパの経済情勢がこれ以上悪化することになり、もし両選手権に20台以上のフルシーズンエントリーが集まらない場合、両シリーズを合併することになると明らかにした。
このレギュレーションの統一、およびカレンダーに関する提案は12月上旬のFIAワールドカウンシルで議決されることになるという。