FIA GT1世界選手権、FIA GT3ヨーロッパ選手権を運営するSRO(ステファン・ラテル・オーガニゼーション)は、スイスのブリュッセルでFIAとGT1参戦チームのオーナーと会合を持ち、来季スタートするGTワールドプロジェクトをGT3規定をベースに行うと明らかにした。
当初、7月にFIAとSROからアナウンスされたGTワールドプロジェクトの発表によれば、新GTワールドクラスは現行のGT1、GT2/GTE、GT3がバランス・オブ・パフォーマンス(BOP)によってすべて同一のクラスで争われるという内容だった。
しかし、SROが23日に発表した内容によれば、ブリュッセルでの会合の結果、新GTワールドクラスは2012年に限定してGT3規定をベースとし、カーボンブレーキの使用、そしてABSを禁止。GT1レベルのエキゾーストサウンド音量を認めるアップグレードした規定とするという。また、現在のGT1規定のマシンも性能調整により参加が可能。ただし、GT2/GTE規定の車両は一転して参加ができなくなった。
SRO代表のステファン・ラテルは、今回の発表について「先週からの会議の内容は、2012年の我々のゴールがはっきりと見える内容だった。素晴らしい成功を収めているGT3をベースとする方法は非常に正しいものだ」と語る。
「今回の決定は、GT3をGT1のレベルに合わせるというよりも、GTワールドクラスのレベルに合わせたと申し上げたい。GT1もこのレベルに合わせることで、かなりコストを削減できる。GT3は最も成功しているカテゴリーで、多くのマニュファクチャラーがマシンを製作している」
「これにより、12のマニュファクチャラーが来季のGTワールドクラスのグリッドを埋めることができる」
また、ラテルは今回決定した内容が、2012年に限ったものであると語る。
「現行のGT1カーが新車とともに走ることができるのは2012年だけだ。2013年には、グリッドのすべてのマシンが“GTワールドカー”になる。これは、世界中のGT3カーの需要を反映する。このGTワールドクラスは、FIA GT1世界選手権の将来に向けた正しい選択なのだ」