ドイツ・ケルンのトヨタ・モータースポーツGmbH(TMG)は、カスタマーレーシング用にGT86(日本名86)のレーシングカーバージョンを発表した。
より広いモータースポーツファンに良い楽しい走りを実感してもらう事をコンセプトとして開発されたこのGT86 CS V3は、VLN(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)のV3(市販車ベースの1800~2000cc)クラスを中心としたドイツのレースに参戦が可能となるように、DMSB(ドイツモータースポーツ協会)のホモロゲーションの認可を受けたもの。
レーシングカーの価格はGT3マシンの約10分の1の値段と、レーシングカーとしては非常に良心的な価格が設定されているため、アマチュアチームからオファーが多く寄せられることが予想される。車両本体価格は38,500ユーロ(約380万円)で、ドイツ国内消費税19%が加算される。
「ニュルブルクリンク24時間ではクラス優勝を獲得し、このGT86が活躍できる高いポテンシャルを証明できたと思います。私たちのモータースポーツへの溢れる情熱と走る楽しみを、ぜひ多くの方々に体感して頂きたい」とTMGの木下美明社長は自信を持つ。
市販車にも近いため操作もしやすく、レーシングカーとしての安全面にも十分には配慮がされているというGT86。現在、TMGではカップバージョンも開発中とのことだ。
今年のニュルブルクリンク24時間レースでは、高木実/石浦宏明/大嶋和也/井口卓人組により見事クラス優勝を飾っている。地元ドイツのレース関係者やメディアでも高い注目を浴び、さらには世界中で順次発売されている市販車においてもその性能は高評価を得ているだけに、今後のドイツでのGT86の活躍が期待されるところだ。
