WEC世界耐久選手権は27日、ポールリカール・サーキットで2日間の公式テストが開幕し、初日は18号車ポルシェ919ハイブリッドがトップタイムをマークした。
4月10日〜12日の開幕戦を控え、ポールリカールで2日間にわたって行われるこのテスト。残念ながらニッサンは不参加となり、LMP1の4メーカー集結とはならなかったものの、4クラス合計で30台が参加している。ハイテク・テスト・トラックとも称され、167通りもの多彩なコース設定が可能なポールリカールだが、今回は“1A-V2”と呼ばれる1周5.791kmのパターンで走行が行なわれた。
走行初日は午前4時間、午後4時間、そしてナイトセッションも2時間と、計10時間のスケジュール。午前9時、晴れてはいるものの、この地方名物の強風“ミストラル”が吹き付ける中、気温12度・路温温度16度というコンディションのもとで午前の走行がスタートした。このセッションでは、た18号車ポルシェがトップタイムをマーク。2番手に1号車トヨタ、3番手に17号車ポルシェと続いている。
LMP2クラスでは、実戦デビューを控えるKCMGの47号車オレカ05・ニッサンが午前のトップタイム。2番手にはストラッカ童夢S103・ニッサンが続いた。LM-GTEプロクラスではAFコルセの51号車フェラーリ458イタリア、LM-GTEアマクラスではアストンマーチン・レーシング(AMR)の96号車アストンマーチン・バンテージV8が首位につけた。
午後のセッションは、午前の走行から1時間のインターバルの後、14時にスタート。4時間の走行では、再び18号車ポルシェが首位につけ、2番手に17号車ポルシェ。アウディR18 e-トロン・クワトロ勢が3〜4番手に続き、トヨタの2台は5〜6番手となった。
LMP2クラスでは、嵯峨宏紀も乗りこむチーム・サード-モランドの39号車モーガンEvo・サードが、クリスチャン・クリエンのドライブでこのセッションの首位に。LM-GTEプロクラスではポルシェチーム・マンタイの91号車ポルシェ911 RSRが、LM-GTEアマクラスではデンプシー・レーシング-プロトンの77号車ポルシェがトップとなった。
この日最後の走行となる2時間のナイトセッションは、西の山に太陽が沈んだ数分後の19時からスタート。強風も続いており、気温12度・路温12度というコンディションよりも体感温度は低い。開始30分を過ぎるとほぼ完全な暗闇となったこのセッションでは、18号車、17号車のポルシェ勢が再びトップ。アウディの2台が続き、トヨタ勢は5〜6番手につけた
LMP2クラスではKCMGの47号車オレカ05が首位。LM-GTEプロクラスではAFコルセの71号車フェラーリが、LM-GTEアマクラスでは96号車アストンマーチンがトップにつけている。
この結果、初日の総合結果でも、全セッションで首位につけた18号車ポルシェが、1分37秒220のタイムでトップに。2番手にも17号車ポルシェが続き、ポルシェ勢が初日をワン・ツー体制で終えた。
トヨタはこの日、1号車がロードラッグ仕様、2号車がハイダウンフォース仕様をテスト。ストレートの長いここポールリカールでは、エネルギー放出量を8MJに上げたことで直線番長っぷりにさらに磨きをかけたポルシェのタイムが良い、ということもあるようだ。
1号車を駆る一貴は「今日はローダウンフォース仕様で走り、空力のチェックをいろいろとやりました。風も強いので、決してフィーリングは良くないですね。タイムを出しに行っているわけではないですけど……ライバル勢が速い。ポルシェのストレートは“別クラス”ですね。ただ、自分たちのクルマの進化は確認できています」と初日の走行を振り返っている。
LMP2クラスでは、KCMGの47号車オレカ05が初日総合首位。LM-GTEプロクラスは91号車ポルシェ、LM-GTEアマクラスは77号車ポルシェが総合トップにつけた。
一般にも公開される28日のテストは、午前9時から4時間、午後2時から3時間の2セッションが予定されている。