10月12日に開幕するWEC世界耐久選手権第7戦富士に先立つ10日の公式テストは、午前の走行からわずか1時間のインターバルを経て、午後1時から再び合同テストセッションが行われた。
この日の富士スピードウェイは、見事な秋晴れ。だが、朝はくっきり見えていた富士山が、午後にはあいにく雲で隠れてしまった。とは言うものの、気温は23~25℃。路面温度も20℃前後で推移。午後5時までのセッション中、一度の赤旗が出されることもなく、テストに出走した20台のマシンは、富士に合わせた様々なセットアップを試したり、ロングランテストを行ったりしていた。
その結果、午前中に中嶋一貴が出した1分29秒088をほんのわずかに上回る1分29秒073というタイムをマークしたのは、アウディe-tron quattro 1号車のアンドレ・ロッテラー。これが今日のテストでの総合トップタイムとなった。ただし、この午後のセッションでは、ロッテラーは「大したプッシュはしていないよ。僕はロングランのスティントを2本走っていたから。ただ、2スティント目に入ると、結構タイヤが厳しくなってくるよね。今のところ、クルマはまずまずいい感じに仕上がってきていると思う。でも、もちろんまだ完璧じゃないんだ。金曜日のテストでもっとクルマを進化させたいと思っているよ」。
午後のセッションで、このロッテラーに続いたのは、アウディe-tron quattro 2号車のトム・クリステンセン。こちらもほぼ同等の1分29秒130というタイムをマークしており、今日のところはアウディ2台とトヨタが拮抗した力を見せている。このまま行けば、富士でのレースは、今までにないほどスリリングな展開になりそうだ。
一方、富士で初めてLMP1カーを走らせたオーク・レーシングの佐藤琢磨は、「F1の時とは景色が違って見えますね。クルマの大きさも違うので。ただ、ホンダのクルマは速いと感じました。でも、クルマに全体的にダウンフォースが不足しているんですよね。だから、ダウンフォースをもっとつけているアウディやトヨタと比べても、ストレートスピードが速いんですけど、コーナー区間では厳しい。その点、チームが持っているものの中で、何とかしようとはしてくれているんですけどね。それでも、走っていて楽しいですよ」とリラックスした笑顔を見せていた。
それ以外のクラスでは、LMP2クラスで、午前中にスターワークスがマークしていたトップタイムを1秒ほど書き換えたADRデルタが総合トップに浮上。これにオーク・レーシングの24号車、ロータスの32号車が続いた。GTE-Proクラスは、午前中と同様、アストン・マーチンだけがテストを実施。GTE-amクラスでは、午前中と同様、クローン・レーシングがトップタイムをマーク。午前中の自己ベストを更新している。
