FIA世界耐久選手権(WEC)最終戦バーレーン6時間レース決勝。スタートから3時間が経過し、チャンピオン争いの行方は混沌としてきた。

 ポールポジションの17号車ポルシェ919ハイブリッドは、ティモ・ベルンハルトのドライブで無難なスタートを決め、先頭で1コーナーに。18号車ポルシェ919ハイブリッドもロマン・デュマが乗り込み、17号車に続いて2番手で走行を開始する。一方、17号車とドライバーズタイトルを争う7号車アウディR18 e-トロン・クアトロは、マルセル・ファスラーが乗り込んだがペースが上がらず、2周目の1コーナーで僚友8号車アウディR18 e-トロン・クアトロのルーカス・ディ・グラッシに先行を許してしまう。7号車をかわした8号車アウディR18 e-トロン・クアトロのペースはその後も良く、6周目の1コーナーで18号車ポルシェ919ハイブリッドも交わして2番手に浮上。久々にアウディが、ポルシェに匹敵する速さを見せる。

 LMP2クラスは、ポールスタートの36号車シグナテック・アルピーヌが出遅れ、変わって26号車G-ドライブ・レーシング、28号車G-ドライブ・レーシング、そして47号車KCMGのタイトル争いの3台が、上位を走行する形となる。

 LM-GTEプロクラスは、51号車AFコルセがスタートを決めるものの、92号車ポルシェ・チーム・マンタイのペースが良く、9周目の最終コーナーでパスされてしまう。LM-GTEアマクラスは大混戦の中、50号車ラルブル・コンペティションが首位に立つ。

 18周目に早速波乱の展開が訪れる。先頭を走っていた17号車ポルシェ919ハイブリッドがスローダウンし、18号車や2台のアウディに次々と抜かれてしまい、ゆるゆるとピットへ。そしてマシンをリヤからガレージに入れ、スタッフ総出で修復作業を行う。結局8分40秒のストップでコースに復帰するが、トップからは5周遅れとなってしまう。これで8号車アウディR18 e-トロン・クアトロが首位に立つ。

 24周目に先頭の8号車アウディR18 e-トロン・クアトロがピットイン。フルサービスでコースへと送り出す。7号車アウディR18 e-トロン・クアトロが26周目にピットイン。18号車ポルシェ919ハイブリッドは29周目にピットインを行う。ここから判断するに、ポルシェの方が燃費は良さそうで、レースが終了するまでにはピットイン回数に差が生じる可能性が出てきた。このピットストップのタイミングで、7号車アウディR18 e-トロン・クアトロも18号車ポルシェ919ハイブリッドの前に出て、アウディがワンツー体制を築くが、ピット回数の差を考えれば、少しでも差を広げる必要がありそうだ。

 なお、コースに復帰した17号車ポルシェ919ハイブリッドは、その後順調の走行。17号車は4番手以内でフィニッシュできれば、無条件でタイトルを獲得できる。しかし、クラス5番手の2号車トヨタTS040ハイブリッドもすでに4周前を走っており、4番手まで上げるのはかなり難しい状況。チームがどんな戦略を組み立てるのか、注目されるところだ。

 1回目のピットストップでアンドレ・ロッテラーが乗り込んだ7号車アウディR18 e-トロン・クアトロは、50周目にディ・グラッシがドライブする8号車アウディR18 e-トロン・クアトロをパスしてついに首位に浮上。このままの順位でゴールすれば、7号車のトリオがチャンピオンを獲得することになる。7号車に抜かれた8号車は、直後に2回目のピットイン。その3周後には7号車もピットに入り、このタイミングで、8号車がアンダーカットの形となり、ふたたび先頭に復帰する。

 一時30番手付近まで落ちた17号車ポルシェ919ハイブリッドは、その後順調に走行し、80周を越えて3回目のピットストップを終えた時点で、総合6番手まで復帰。しかし、まだ前方の2号車トヨタTS040ハイブリッドとは3周ほどの差がある。また、3回目のストップ後のタイミングで、アウディは7号車が先行。8号車が2番手になっている。

 LMP2クラスは47号車KCMGがG-ドライブ・レーシングの2台を抜いてトップに立ったが、スタートでポジションを落とした36号車シグナテック・アルピーヌがハイペースで追いかけてくる。

 LM-GTEプロクラスは、92号車ポルシェ・チーム・マンタイが首位。51号車AFコルセが2番手、71号車AFコルセが3番手を走るが、AFコルセの2台は優勝しなければタイトルの可能性はなく、このレースでは不調でクラス6番手を走る91号車ポルシェ・チーム・マンタイが載冠することになる。つまり、92号車が91号車に対して、最高のアシストをしている格好だ。

 91周目、8号車アウディR18 e-トロン・クアトロがターン11でオーバーラン。左のフロントから、大量のカーボンダストを吐き出している。どうもブレーキのトラブルのようで、そのままピットイン。マシンはガレージに入れられ、フロントのカウルを外して作業を行う。なんと左フロントの上下ウイッシュボーンやドライブシャフト、そしてアップライトなどのアッセンブリー一式をを丸ごと交換。これには大変な時間がかかり、17号車ポルシェ919ハイブリッドに先行されてしまう。

 先頭は7号車アウディR18 e-トロン・クアトロ、2番手に18号車ポルシェ919ハイブリッドが続き、3番手には1号車を交わした2号車トヨタTS040ハイブリッドが上がっている。2号車には、このレースでレーシングドライバーを引退するアレクサンダー・ブルツが乗り込んでおり、有終の美を表彰台で飾れる可能性がでてきた。

 そして3時間を経過する頃に、コース整備のためにフルコースイエローコーションが発動。このタイミングで7号車アウディR18 e-トロン・クアトロがピットインし、ロッテラーに変わってブノワ・トレルイエが乗り込んだ。このピットインのタイミングは素晴らしく、18号車ポルシェ919ハイブリッドの前でコースに復帰することに成功している。ただ、このスティントは19周と短く、後半に向けてどんな影響が出てくるのか、気になるところだ。また、8号車アウディR18 e-トロン・クアトロもコースに復帰。しかし、トップからは8周遅れになってしまった。

 LMP2クラスは47号車KCMGが先頭、LM-GTEプロクラスは92号車ポルシェ・チーム・マンタイ、LM-GTEアマクラスは88号車アブダビ-プロトン・レーシングがそれぞれクラストップを走行している。

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