間もなくスタートする第77回ル・マン24時間レース。今回の見所は、何といってもアウディR15とプジョー908HDi FAPによるワークス対決となる。その勝敗を分けるひとつの鍵は、やはりレース中のストラテジー、戦略だ。
 特に、今年からタイヤ交換の要員と装備に制限が加えられ、いずれのチームにとってもピット作業の時間が今まで以上にかかる。それが、レースにどう影響してくるのかという点は、興味深い。

 そこで、昨日6月12日(土)に相次いで行なわれたプジョーとアウディの記者会見後、そうした作戦面について、プジョーのテクニカル・ディレクターであるブルーノ・ファミン、チーム・ヨーストのテクニカルディレクターであるラルフ・ユットナーにそれぞれ話を聞いた。

 まずプジョーの作戦について、ファミンは言う。
「予選の段階で、1セットのタイヤで4スティント走れるということは確認済みだ。しかし、気温や路面温度によって、ラップタイムの落ち幅は変わってくる。だから、その点に関しては、実際にレースがスタートしてから決めたい。場合によってはW・Wスティントということもあるだろう。また、去年はラジエターの清掃をするために、24時間の間に合計3分間のロスタイムがあった。今年のマシンはその点を改良して、汚れをなるべく吸い込まないような作りになっている。だから、できればレース中に掃除せずに済ませられるといいんだけどね」

 プジョーに関しては、「1スティントのラップ数が12周前後になるだろう」とは、セバスチャン・ブルデーのコメント。また、プジョーはドライバーがコクピットからエアジャッキをダウンできるシステムを採用している。これが1回あたりのピットストップ作業にとって、アドバンテージになるのか。昨年は、約15秒でやっていたタイヤ交換だが、今年はその倍の時間がかかるとプジョー陣営。その点では、アウディ以上に時間がかかっているため、多少でもエアジャッキシステムで時間を稼ぎたいということなのだろう。

 一方、チーム・ヨーストのユットナーは、“レース前には作戦は教えられないよ”としながらも、手がかりになるようなことを教えてくれた。
「エンジンはV10になって、今までより燃費が良くなった。だから、1スティントの周回数は今までと同じかそれ以上。タイヤに関しては、アウディも4スティント走れることは確認済みだが、グリップダウンとラップタイムの落ち幅を見て、どうかするか決めたい。タイヤ交換に要する時間は、昨年までは11秒前後だったけど、今年はやはりその倍かかっとしまうので、そこはリアルタイムで計算しながら、やっていきたい」

 ドライバーがジャッキダウンするシステムについては、「ドライバーはレースに集中しなければならないのに、そうした余計な作業が増えることはミスにつながるもと。だから、ウチではそういうシステムは採用しないし、あまりアドバンテージがあるとは思えない」というユットナー。
 やはり今年もアウディが強さを発揮するのだろうか? しかし、1号車に関しては、予選から“ブレーキでマシンが止まらない”という症状が出たり、あるいはウォームアップでターボやペダル関係に細かなトラブルが発生するなど、どうもドタバタした印象が拭い去れない。他方、プジョーは昨年と全く違い、ピットも落ち着き払った雰囲気。この余裕ある雰囲気を見ると、今年こそプジョーが悲願を果たすような流れも感じる。

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