6月13日(土)、午後3時。ルカ・ディ・モンテゼモロが振り下ろすフランス国旗を合図に、いよいよ第77回ル・マン24時間レースがスタートした。
正式スタートが切られると、まず1コーナーで1号車・アウディR15が、PPの8号車・プジョー908に挑みかかるような動きを見せる。しかし、ここは8号車がトップをキープ。公道区間へと入って行った。しかし、直線スピードに勝るプジョー勢が#1アウディに襲いかかる。第2シケインで#7プジョーが#1をオーバーテイク。2番手へと浮上した。
さらにスタート直後の第1シケインで#17ペスカローロ・プジョーをオーバーテイクした#9プジョーが、2周目の第2シケイン手前で#1アウディをパス。早くもプジョーが1-2-3体制を築く。しかも、プジョーのペースが3分25秒台から28秒台なのに対して、アウディは3分29秒〜31秒とラップペースも、プジョーが圧倒的に速かった。
一方、アウディ勢には、序盤からハプニングが発生。3周目のインディアナポリスコーナー手前で、アレクサンドル・プレマがドライブする3号車がバランスを崩し、そのままコースアウト。グラベルベッドに突っ込んだ。プレマはその後、オフィシャルに引き出されてコースに復帰するが、そのままピットイン。フロントカウルにダメージを負っていため、その修復作業に数分を費やし、大きくポジションを落とした。
その後、10周を終えたところで、アレクサンダー・ブルツが乗るプジョー9号車が最初のピットイン。これをきっかけに、11周を終えたところでプジョーペドロ・ラミーが乗る7号車とフランク・モンタニーが乗る8号車が同時ピットイン。さらにジャン・クリストフ・ブイヨンが乗る17号車もピットへと向かう。
ところが、8号車がピットアウトし、続いて7号車も給油を終えて動き出したところで17号車がちょうどピットに入ってくる。7号車は給油に若干手間取ったこともありクルーが焦ったのか、ピットロードをよく確認せずドライバーを送り出してしまった。そして、7号車と17号車の進路が交差。17号車の右フロントと7号車の左リヤが接触。7号車はそのままコースに出るが、すぐにタイヤがバーストし、そのままコースを1周しなければならなかった。これで大きくポジションダウン。
しかも、ラミーが早くピットに戻ろうと、手負いのクルマでプッシュしたため、ダメージはタイヤのみならずリヤカウルやエキゾーストにまで及び、7号車は大きくポジションを落とすことになった。一方の17号車も給油を終えるとマシンはガレージに入れられ、修復作業に。ここで数分のロスをして、やはりポジションを落とした。
この頃、7号車がコースに撒いたパーツの破片を清掃するため、コース上にはセーフティーカーが導入される。これを見て、アウディ陣営はアラン・マクニッシュが乗る1号車とマイク・ロッケンフェラーが乗る2号車が、12周を終えたところで同時ピットイン。給油のみならず、タイヤも交換してコースに戻っている。また、セーフティーカー導入前に最初のピットインを終えていたプジョー9号車も13周を終えた所で再度ピットイン。タイヤ交換をするとコースに戻った。
このセーフティーカーのタイミングで半周以上のマージンを手にしたのは、プジョー8号車。午後3時42分に導入されたセーフティーカーが3時55分にピットに戻り、レースのリスタートが切られると、他のマシンを大きく引き離す形となった。その後、ようやくレースは落ち着きを取り戻し、アウディもプジョーも1スティント12〜13周で走行。タイヤに関してはクルマによって2スティントでの交換と3スティントでの交換に分かれているが、いずれも3時間が経過したところで、最初のドライバー交代も済ませている。
18時(日本時間6月14日1時)現在トップをキープしているのは、プジョー8号車。2番手にプジョー9号車。以下、アウディ2号車、1号車、アストン・マーチン008号車、007号車。7番手にプジョー17号車、8番手にアウディR10の15号車、9番手に現在アンドレ・ロッテラーがドライブするR10の14号車と続いている。
LMP2クラスでは、チーム・エセックスのポルシェRSスパイダー31号車と全く同じ周でのピットインを繰り返しながら、NAVI TEAM GOHのポルシェRSスパイダー5号車が3分40秒台前半の安定したペースで周回。クラス2番手の位置をキープするとともに、エセックスとの差も7秒以内というところにつけている。
