更新日: 2024.01.28 11:31
ホンダ 2024ダカールラリー ラリーレポート
<FIM世界ラリーレイド選手権>
リッキー・ブラベック選手がダカールラリー2024で2度目の総合優勝
サウジアラビアで開催されていたFIM※世界ラリーレイド選手権の開幕戦 ダカールラリー2024が1月19日(金)の最終第12ステージで終了し、ワークスマシン『CRF450ラリー』に乗る、モンスター・エナジー・ホンダ・チームのリッキー・ブラベック選手(アメリカ、32歳)が、2020年以来自身2度目となる二輪車部門の総合優勝を果たしました。ホンダのダカールラリーでの優勝は、2021年以来3年ぶりです。
※FIMとは、Fédération Internationale de Motocyclisme(国際モーターサイクリズム連盟)の略称
ブラベック選手は、2016年からTeam HRC(現在のモンスター・エナジー・ホンダ・チーム)よりダカールラリーに参戦しています。今年のダカールラリー2024では、第6ステージで総合首位に立つと、その後のステージでも堅実な走りで総合首位を守り続け、2位のロス・ブランチ(ヒーロー・モータースポーツ・チーム・ラリー)に10分53秒差をつけ自身2度目となる総合優勝を飾りました。
なおエイドリアン・ヴァン・ベバレン選手(フランス、33歳)が3位、ホセ・イグナシオ・コルネホ選手(チリ、29歳)が6位、モンスター・エナジー・ホンダ・チームはトップ10に3名のライダーを送り込みました。
1979年より開催されているダカールラリーは、“世界一過酷なモータースポーツ競技”と言われており、今年で46回目になります。ホンダは1981年のパリ・ダカールラリー第3回大会から参戦。1986年にNXR750で優勝するとその後1989年まで4連覇を果たしました。
1990年からは参戦を休止した後、2013年、当時は南米で開催されていたダカールラリーにCRF450ラリーで復帰。開催地を南米からサウジアラビアに移した、2020年に復帰後初の総合優勝を獲得し2021年には連覇を果たしています。
●モンスター・エナジー・ホンダ・チーム リッキー・ブラベック
「今シーズンの初戦を勝利で飾ることができた。本当にタフなコースだったし、競争相手も強豪だった。2位のロス(・ブランチ選手)や自分のチームメートが、油断させてくれなかったが、同時に我々も他のチームにプレッシャーをかけていたと思う。全員にとって、最後まで気の抜けない戦いだったのは間違いないよ」
「ここに無事に戻ってこれたことが本当にうれしい。前回とは少し違って、今回はかなりタフな戦いだったから、より多くのものを得られたような気がする。2020年のときは、最初から大きな差があった。今回、僕とロスは2、3秒差で3日間戦った。全員にとってタイトなレースだった。このラリーでは10分という差は大きくないんだ」
「2日間ほど調子のいい日があり、そこでプッシュするチャンスがあったが、第11ステージは、ロスが僕の後ろから18分遅れでスタートするので、彼に捕まったら終わりだと思っていた。ハードなステージだったけど、集中力を切らさずにゴールまで行けし、タイムもそれほど落とさなかったので、自分にとってだけでなく、チームにとってもいい走りができた。2週間をとおして自分もチームも素晴らしい仕事ができた。これからはゼッケン9番が僕のラッキーナンバーになると思うよ」
●株式会社ホンダ・レーシング(HRC)代表取締役社長 渡辺康治
「リッキー・ブラベック選手、優勝おめでとう。また過酷なラリーを完走しトップ10フィニッシュを果たしてくれたエイドリアン・ヴァン・ベバレン選手、ホセ・イグナシオ・コルネホ選手をはじめとした、すべてのモンスター・エナジー・ホンダ・チームの皆さん、本当にありがとうございました」
「この3年間は非常に悔しい思いをしてきたものと思います。その悔しさを力に変えて優勝を奪還してくれたことは、今後のホンダやHRCにとっても、大きな糧になるものと信じています。2024年の年初から朗報を聞くことができました。この勢いで今シーズンの二輪・四輪ともに、多くのカテゴリーでタイトル獲得をしていきたいと思います」
「最後になりましたが、応援していただいたファンの皆さま、我々の活動を支えてくださっているスポンサーの皆さまに感謝申し上げます」
■リッキー・ブラベック(Ricky Brabec)のプロフィール
生年月日:1991年4月21日(32歳)
出身地:アメリカ
主な戦績
2016 ダカールラリー2016 総合9位
2017 ダカールラリー2017 参戦(ステージ優勝1回)
2018 ダカールラリー2018 参戦
2019 ダカールラリー2019 参戦(ステージ優勝1回)
2020 ダカールラリー2020 優勝(ステージ優勝2回)
2021 ダカールラリー2021 総合2位(ステージ優勝4回)
2022 ダカールラリー2022 総合7位
2023 ダカールラリー2023 参戦(ステージ優勝1回)
2024 ダカールラリー2024 優勝(ステージ優勝1回)
■ホンダの主なダカールラリー戦績
年 | 最高位 | ライダー | 国籍 | マシン |
---|---|---|---|---|
1986 | 優勝 | シリル・ヌブー | フランス | NXR750 |
1987 | 優勝 | シリル・ヌブー | フランス | NXR750 |
1988 | 優勝 | エディー・オリオリ | イタリア | NXR750 |
1989 | 優勝 | ジル・ラレイ | フランス | NXR750 |
※1990~2012年までダカールラリー参戦休止 | ||||
2013 | 7位 | エルダー・ロドリゲス | ポルトガル | CRF450 RALLY |
2014 | 5位 | エルダー・ロドリゲス | ポルトガル | CRF450 RALLY |
2015 | 2位 | パウロ・ゴンサルヴェス | ポルトガル | CRF450 RALLY |
2016 | 4位 | ケビン・ベナビデス | アルゼンチン | CRF450 RALLY |
2017 | 5位 | ジョアン・バレーダ | スペイン | CRF450 RALLY |
2018 | 2位 | ケビン・ベナビデス | アルゼンチン | CRF450 RALLY |
2019 | 5位 | ケビン・ベナビデス | アルゼンチン | CRF450 RALLY |
2020 | 優勝 | リッキー・ブラベック | アメリカ | CRF450 RALLY |
2021 | 優勝 | ケビン・ベナビデス | アルゼンチン | CRF450 RALLY |
2022 | 2位 | パブロ・キンタニラ | チリ | CRF450 RALLY |
2023 | 4位 | パブロ・キンタニラ | チリ | CRF450 RALLY |
2024 | 優勝 | リッキー・ブラベック | アメリカ | CRF450 RALLY |