そうした後方での順位変動を尻目に、スタートからポジションを守ったエクストローム、シャイダーの“DTM王者経験者”ペアが完全にレースをコントロールしたままチェッカーとなった。
「正直に言って、ここまでのラリークロス・キャリアのなかで、もっともチャレンジングな週末だった」と語るのは、ディフェンディング・チャンピオンであり、開幕戦勝者となったエクストローム。
「Q3とQ4でクリーンなラップを記録し、準決勝に向けポールポジションを得ることが重要だった」
「僕は自分のチームを立ち上げてプライベーターから這い上がり、今ではアウディスポーツの支援を得られるようになれたけど、この週末のティモ(・シャイダー)にはとてつもなく感銘を受けたと言わざるをえない。今季は本当に僅差のコンペティションになるだろうね」
一方、予選ヒートやセミファイナルに続き、決勝でも2位に入り表彰台を獲得したシャイダーは、予選ポイントで集計される『インターミディエイト・ポイント』に於いて首位を維持。大成功のシーズンインとなった。
「バルセロナに来るまでほとんどテスト機会がないままだったので、この結果にはとても驚いたよ。何も期待せずに臨んだけど、MJPレーシング・チーム・オーストリアのメンバーに感謝しなくてはならないね」とシャイダー。
「フォード・フィエスタRXSスーパーカーはとても強烈なマシンだった。僕はまだたくさんのことを学んでいる最中だけど、DTMでの16年間以上に刺激的で、このラリークロス・ライフを心底楽しんでいるよ」
F1と同じ表彰台にふたりの元DTM王者が上がり、5つのマニュファクチャラーが争う激しいコンペティションを予感させるスタートとなったWorldRXの17年シーズン。開幕戦後のチーム・スタンディングでは、決勝に2台を送り込んだPSRXが、勝利を挙げたチームEKSに並び首位に立っている。

