こうしたミスの種となる要因として、勝田は初開催WRCラトビアで構成された例外的な大会行程に不安を抱いていたという。

「そもそも、初めてのコースでどんなタイムが出せるのかな、どんなラリーになるのかな、という想いがありました」

「そういった不安があるなかで、今回は他のラリーと違った特徴的なアイテナリー(大会行程)が組まれていました。基本的にWRCの大会は、午前中に3本か4本のステージを走り、その後に同じステージをもう1回リピートするという流れが多いのですが、今回は1回しか走らないというステージが非常に多く、1日の中でリピートのステージは1個あるかないかというような行程でした」

「また、なかには2、3キロだけ同じセクションを走って、その他は新しい区間、といったような特徴的なステージ構成もあったりしたので、その分レッキ(大会前の確認走行)をする区間がいつもの1.5倍ぐらい多かったです。そのチェックは結構大変で、かなりストレスフルでした」

勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)
2024年WRC第8戦ラリー・ラトビア 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)

 基本的にラリー中の前日準備としては、3~4区間分のペースノートや車載映像をコドライバーとともに確認を行うが、ミスが起きたデイ3のためには、7区間分の事前情報を確認する必要があった。

 この負担が直接今回のミスに繋がったという直接的なコメントはなかったものの、過去には勝田の“師匠”でもあったタナクを相手にするには、経験の差が生まれやすい図式であったとも言える。

 初のパワステなしラリー1マシンで何とか残り区間を走り切り、以降は最終日のパワーステージにターゲットを切り替えた勝田。迎えた最終SS20では選手権首位のティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)と十分の一秒まで同じタイム表示となり、最終的にはさらに細かい差によって4番手タイムとなった。

 それでもトップタイムのタナクや、続くオジエ、ヌービルといった今季のウイナーたちと僅差の4番手タイムとあり、前戦ポーランドでの不調を振り払うという課題は確実にこなせた一戦だったのではないだろうか。最後に勝田は、ホームラウンドとなる次戦ラリー・フィンランドへ向け、次のような意気込みで締めた。

「今大会では、次のラリー・フィンランドに向けても本当に良いステップが踏めました」

「チャレンジプログラムが始まったときからトレーニングをさせていただいていたフィンランドで、今の自分が持っているポテンシャルを発揮して、表彰台はもちろん、トップ争いをしっかりと展開できるように最初から攻めていきたいと思います」

勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)
2024年WRC第8戦ラリー・ラトビア 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)
勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)
2024年WRC第8戦ラリー・ラトビア 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)

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