また、選手権ポイントリーダーとして挑んだベテラン・ポルトガル人、ブルーノ・マガラエス(シュコダ・ファビアR5)は、序盤のステージでパンクに見舞われたカストロール・フォード・チーム・ターキーのムラット・ボスタンキ(フォード・フィエスタR5)のマシンにコース上で追いついてしまい、砂塵の中を視界を奪われた状態で走行。ペースが上がらない状況に追い込まれていた。

 そして“魔のスペシャルステージ”となったのが18.42kmのSS6。スタートから約4km地点の切り立ったバンクがそびえる右コーナーで、そのマガラエスと、ボスタンキ、そして前戦アクロポリス勝者で2016年王者でもあるカエタン・カエタノビッチ(フォード・フィエスタR5)が、次々とクラッシュ。すべてのクルーは無傷だったものの、カエタノビッチのマシンを除いて修復不可能なほどのダメージを負い、ERCレギュラー勢が初日から続々と姿を消すこととなった。

キプロス・ラリーで最多勝となる5勝目を記録したナッサー・アル-アティヤ
キプロス・ラリーで最多勝となる5勝目を記録したナッサー・アル-アティヤ

 これで楽な展開となったアル-アティヤは、翌日デイ2の全6SSではマシンを労わりペースマネジメントに徹してクリア。前日のリタイアからスーパーラリー規定で再出走を果たしたグリアシンやカエタノビッチがSSベストタイムを分け合うなか、総額1万ユーロ(約125万円)の懸賞金が掛かった最終6.17kmの“ゴールデン・ステージ”のみ、カエタノビッチを0.3秒しのぎ、きっちりとトップタイムをマーク。これでアル-アティヤが、大会新記録となる通算5勝目を挙げた。

「僕らの成功に秘密はない。ただ最善の努力をしただけだ。少しばかり幸運を持っていたと言えるかもしれないが、過去の経験が今回の成績を手助けしたかもしれないね」とアル-アティヤ。

実業家であり、ADACドイツGTマスターズに参戦経験を持つアルバート・フォン・タクシスが5位入賞
実業家であり、ADACドイツGTマスターズに参戦経験を持つアルバート・フォン・タクシスが5位入賞

 2位以下トップ10圏内には地元キプロスのドライバーたちが名を連ねるなか、5位にはERCをシリーズで追うドイツ侯爵家のアルバート・フォン・タクシス王子が入り、元GTドライバー、そして実業家という肩書きに、ERCフロントランナーの実績を加えることとなった。

 ERCの次戦、第5戦はポーランドの首都クラクフから東に150kmの都市ジェシュフを中心に開催されるターマック戦が舞台。例年、地元のカエタノビッチが得意とする、ウクライナとスロバキアの国境付近に設定されたステージで、8月3~5日に争われる。

スーパーラリーで復帰のカエタン・カエタノビッチは14ポイント差で次戦の母国ラウンドへ
スーパーラリーで復帰のカエタン・カエタノビッチは14ポイント差で次戦の母国ラウンドへ
2位にはGr.Nランサーを駆る地元勢、シモス・ガラタリオティスが入った
2位にはGr.Nランサーを駆る地元勢、シモス・ガラタリオティスが入った

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