「僕はマシンのコントロールを失ったけど、スライドした感触は悪くなくマシンのスピードを殺すことができた」と振り返ったデュマ。

「それで自分自身にも『よし、これでどこまで抑えればフィニッシュできて、どこまで攻めると立ち木の餌食になるかが理解できた』って、言い聞かせたんだ」

 フォルクスワーゲン・モータースポーツの技術部門を統括する“FX”ことフランソワ-クサビエ・ドゥメゾンは、将来的にこのフルEVマシンをコースに最適化させれば、さらなるタイム短縮の可能性を秘めている、と明言した。

 彼らはコロラド州での“レース・トゥ・ザ・クラウド”から、この英国の伝統的イベントに参加するにあたり準備期間が充分取れなかったことも影響して、I.D. Rパイクスピークのセットアップとパワートレーンの最適化が充分に行えなかったと語っている。

「このクルマはパイクスピークに照準を合わせたデザインになっている。そう、全長20kmに及ぶレースに挑むためにね」とドゥメゾン。

「だから、この短いコースでアタックするにはエネルギー量が多すぎるんだ。そのため全長1.8kmのグッドウッド用のトリムに変更し、いくつかのアイデアを盛り込めば、将来的にはさらなるタイムアップも可能だと言っておこう」

 フォルクスワーゲン・モータースポーツとしては、今後もこの『フォルクスワーゲンI.D. Rパイクスピーク』でEVレコード更新のチャレンジを続けていく予定だというが、ヒルクライムで2個の新記録を樹立したVWに対し、同じ会場には非公式ながら2018年に入ってニュルブルクリンク・ノルドシュライフェ、スパ-フランコルシャンという2大サーキットの驚異的ラップレコードを記録したポルシェのLMP1『919ハイブリッドEvo』も登場。

 しかし、同じヒルクライムコースの走行を行ったものの、ポルシェの意向でタイムアタックには参加せず最速レコードの更新はおあずけに。依然としてグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの記録は、1999年にニック・ハイドフェルドがマクラーレン・メルセデスMP4-13で記録した41秒60となっている。

ポルシェ・ワークスドライバーでもあるロマン・デュマは、今季2個目のヒルクライム・レコード樹立となった
WEC世界耐久選手権撤退後、大幅な改造を施された『ポルシェ919ハイブリッドEvo』も登場
2018年大会はポルシェがホストを務め、モータースポーツ活動70周年を祝う花火も打ち上げられた

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