チリのグラベルSSは全体的にかなり高速で、速度は高いのに道幅が狭く、路面のグリップが低いトリッキーな区間も多かった。クルマの総合力が試される1戦で、タナクとトヨタ・ヤリスWRCの組み合わせは最強だった。
オジエも、大クラッシュで戦列を去ったティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)も、タナクのペースにはついていけず、スピードの差は明らかだった。
次戦以降のラウンドでもクルマにトラブルがおきなければ、これからの数戦でタナクが連勝し、選手権首位に復帰する可能性は充分にある。
その一方で、マニュファクチャラー選手権に関してトヨタは苦戦している。タナク以外のふたり、ヤリ-マティ・ラトバラとクリス・ミークが開幕から1度も表彰台に立っていないからだ。とくにラトバラの不振はかなり深刻で、速さと安定性の両方が足りていない。
対するライバルのヒュンダイは、セカンド待遇のドライバーが地道にポイントを獲得している。チリでは、約半年ぶりにグラベルラリーを戦ったセバスチャン・ローブが3位に入るなど大活躍。エースであるヌービルのリタイアを、しっかりとフォローした。
その結果、ヒュンダイは2位のトヨタに29ポイント差をつけ、選手権首位に立っている。
トヨタが王座を防衛するためには、ラトバラとミークが安定して5位以上に入り続ける必要があるだろう。
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