セントラル・ラリーはRally Japan運営事務局として初めて開催したラリーイベント。実際に開幕を迎えるまで「なにが問題になるのか、それすらもわからないような状態」だったと言う。

 しかし、大会を終えて「本当にいっぱいバツが出てきました。一個一個潰していくのが大変なくらいですが、これを知らずに2020年を迎えていたら大変なことになっていたなと思う」と収穫は多かったようだ。

「事前準備に関しては時間が足りなかった、不慣れだったという部分でお客さまやエントラントのみなさまに迷惑をかけてしまったという意味で自己採点は20点くらいです」

「PRの面についても、テストイベントとしてコントロールできる範囲でやる計画でしたので、そこまで(積極的にPR)する考えはありませんでした。しかし、お客さまからすれば情報不足であることに変わりはないので、そこも20点くらいの評価です」

「運営面では、今回現場に入ってはじめて顔を合わせたような競技スタッフもいました。お互い初対面の状態でコミュニケーションを取っていく必要がありました」

「しかし、(5日の)火曜日くらいから5~6日間一緒に働いたことで、来年はお互いの顔がわかった状態で準備ができます。そういうところでテストイベントを開催した意味は十分にありました」

「セントラル・ラリーの準備期間はおよそ半年くらいで、ようやくなんとか開催できたという形。2020年のラリー・ジャパンに向けては、やらなければいけなことが具体的に見えている状態で、あと1年になります」

「2019年内にはすべての反省会を終えて、年始には具体的に動き出します。もう明日(11月11日)から始まると思っていますよ」

「競技チームは年内、雪が降る前に今年の反省を踏まえてコースを組み直して、来年の2~3月には非公開のアイテナリー(スケジュール)を一度作りたいと思っています。コースが決まらないと行政的な手続きを進めることができませんからね」

「春には道路使用許可申請手続きを取りますし、(2020年WRCが開幕する)1月にはどんな車両がラリー・ジャパンに来るのかも分かるので、カルネナンバー(国際ナンバー)など、そういった運行許可証のことも進めなければなりません」

 このセントラル・ラリーにはFIAからもスタッフが派遣されており、大会をWRC基準に引き上げるべく、マーシャルの立ち位置やレスキュー車両の停車位置など、さまざまなレビューを受けたという。

 なお、FIAによる視察の成果としては、10日(日)に行われたセレモニアルフィニッシュ時に、「FIAによる医療査察をクリアした」(坂井正治セントラル・ラリー大会組織委員長)ことが発表されている。

 テストイベントを終えて、2020年の“本番”へ向けて始動し始めたラリー・ジャパン。開幕日の2020年11月19日までの間、ファンにとっては待ち遠しい日々だが、運営事務局としては激闘の日々となりそうだ。

リエゾン区間を走るトヨタ・ヤリスWRC
リエゾン区間を走るトヨタ・ヤリスWRC

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