タナクとブリーンがラリーの序盤から優勝争いを繰り広げるなか、総合3番手には氷雪上ラリーを得意とするエサペッカ・ラッピ(ヒョンデ)がつけていた。しかし、ラッピの移籍後初表彰台はSS13でのスタックで夢と消えることに。
代わって、序盤戦は路面コンディションに苦しめられたカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)と、ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)がこのポジションを争うこととなった。デイ3のSS14終了時に同タイムで並んだ両名。翌SS15で抜け出したのはヒョンデのエースだった。
3.8秒のリードで最終日に入っていったヌービルは、SS16を制したロバンペラに1.1秒差に迫られるが翌SS17ではステージウインをやり返し7.1秒差にギャップを拡げる。迎えた最終SS18では左の直角コーナーでアウト側にはらみスノーバンクにヒットする場面も見られたが、大事には至らず6番手でフィニッシュ。直前に築いた貯金を活用し、ディフェンディングチャンピオンを5.1秒差で振り切って表彰台の一角を確保してみせた。
これはトヨタ勢が今戦で表彰台を逃したことを意味し、大会連覇を狙ったロバンペラは4位、チームメイトのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合5位という結果に終わっている。
また、デイ2のアクシデント後、デイ3から再出走し最終パワーステージでのボーナスポイント獲得を目指していた勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)だったが、直前のSS17走行後リタイアに。エンジントラブルが出走中止の原因とされている。
■オリバー・ソルベルグ、母国でWRC2クラス優勝
総合6位入賞を果たしたピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)は、最終SS18の最中にエンジントラブルが発生した。このため彼はステージ途中で一度停車し、最後はプラグイン・ハイブリッドシステムを用いたEVモードでクルマをフィニッシュまで運んでいる。
総合7位は前日のスタックで7分以上の後れを取ったラッピ。総合8位はオリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)だ。スウェーデン国籍を持つ彼は、オーレ・クリスチャン・ベイビー(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)を下しWRC2クラスで母国優勝を飾った。同クラス3位はサミ・パヤリ(シュコダ・ファビアRSラリー2)で、総合では10位に入っている。
WRCの次戦第3戦『ラリー・メキシコ』は、3月16~19日に開催される予定だ。