ラリーリーダーの脱落によって首位に立ったのは、前述のとおりトヨタのエバンスだ。しかしSS8を制し総合4番手から2番手に順位を上げたヌービルが2021年のラリー・フィンランドウイナーにチャージをかける。彼は続くSS9でもステージベストを記録し、首位エバンスとのギャップを9.7秒に縮め、さらにSS10ではライバルのタイムを2.8秒上回る全体ベストをマーク。首位との差6.9秒としてデイ2を走破している。
ヌービルに再逆転を許した勝田も、SS9でこの日2度目の2番手タイムを記録するなど力強い走りでトップ2に食らいつく。SS10を終えた時点での首位とのギャップは16.4秒だ。4番手につけるテーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1)とは12.4秒差。
今大会へのスポット参戦によって2020年以来、3年ぶりのWRCドライバー復帰を叶えたヤリ-マティ・ラトバラは、2022年型のトヨタGRヤリス・ラリー1で母国ラリーの走行を楽しんでいる。38歳のフィンランド人は現在総合5番手。その後ろにはWRC2クラス首位につけているヤリ・フッツネンを先頭に、同クラスを戦うサミ・パヤリ、ニコライ・グリアジン、オリバー・ソルベルグのシュコダ・ファビアRSラリー2勢が続く。トップ10最後のスロットにはMスポーツのアドリアン・フルモー(フォード・フィエスタ・ラリー2)が入った。
総合6番手以下がこのような状況となっている要因は、ロバンペラを含むフィンランド人ドライバー2名のクラッシュと、Mスポーツ勢のリタイアに他ならない。
ラリー1クラスのリタイア第1号は、前戦エストニアに続き運に見放されているオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)だった。彼のマシンはSS3の走行中に強い衝撃を受け、これによってエンジンが停止してしまう。直後から電気モーターを使用したEVモードで走行を続けたタナクだったが、その後エンジンの損傷が確認されたため、2日目午前のループの段階でラリーからリタイアすることとなった。
チームメイトのピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)は、同じくSS3の右コーナーでアウト側に膨らみ左リヤを岩のようなものにヒット。足回りを壊してしまいデイリタイアに。母国凱旋のエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)は午前中最後のSS5で、左・右と続くS字コーナーの後半でコースオフし、ステージ脇の立ち木にフロントからクラッシュしてしまった。ラッピは再出走が叶わずリタイアとなっている。
計3台がリタイア、さらに1台がデイリタイアを喫した競技2日目を終えてWRC第9戦『ラリー・フィンランド』は5日(土)にデイ3を迎える。その競技3日目はSS11~18が予定され合計160.68kmで争われる。これは4日間で最長。リエゾン(ロードセクション)を含めた一日の総走行距離は641.06kmだ。





