総合2位表彰台を獲得しチームのワン・ツー・フィニッシュに貢献した勝田は、ラトバラの参戦が刺激になったと述べるとともに、再戦を望んだ。
「ラリーの前に、ラトバラ代表と合同でテストをしました。お互いの横に乗って色々と教わったのですが、実際に乗ってみると、ドライビングが自分のイメージに残るので、とても良かったと思います」と語った勝田。
「ラリーでは、どんな路面でもしっかりとタイムを出してくるので、世界の壁は非常に厚いなと。そういう部分で“世界”を感じながら走っていた気がします」
「もちろんプレッシャーはありましたが、ラトバラ代表とワン・ツー・フィニッシュを達成できたのは非常に嬉しかったですね。一緒に走れたことは大きな刺激になりましたし、参考になりました。また来年も来てほしいなと思います(笑)」
■DAT搭載車両がグラベルラリー初参戦
DAT(ダイレクト・オートマチック・トランスミッション)搭載車両をグラベルラリーに初投入して今大会に臨んだ眞貝知志/安藤裕一組(トヨタGRヤリスGR4ラリーDAT)は、変速を車両に任せるDレンジでの走行にトライ。しかしSS2でのアクシデントによってリタイアに終わった。そのため実戦で試す機会は少なかったものの、挙動の違いを確認することができたほか、現時点での課題も見えたという。
「今回、DATを初めてグラベルラリーでの実戦に投入しました。SS1は自動で変速作業をするDレンジで、SS2は途中までドライバーが操作するMレンジで走り、それぞれの走り味の違い、クルマの挙動の違いを確認することができました」と眞貝。
「Dレンジのままでも気持ち良く走れることが分かりましたし、一方で、『もう少しこういうタイミングでギヤが変わってほしい』という課題も見えました。リタイアとなってしまいましたが、今後に活かせるデータが少しは得られたかと思います」
「次戦はまたターマックラリーに戻りますが、今回見えた課題はターマックラリーの仕様にも織り込めると思っています。トランスミッションの制御がとても進み、楽しく走れるようになっていますので、次戦もDレンジで走りたいと思います」
TOYOTA GAZOO Racing WRJの豊岡悟志チーム監督は今季第7戦を次のように振り返った。
「ラトバラ代表のすごさにあらためて驚きました。スピードはもちろん、ラトバラ代表とハンニネン選手のラリーに取り組む姿勢ですね。チームメンバーにも丁寧に声をかけてくれますし、ファンサービスの振る舞いなど、その人柄に魅了され、とても勉強になりました」
「勝田選手はラトバラ代表のペースに追いつこうと一生懸命走ってくれました。多くのプレッシャーがあるなか、しっかりと完走を果たす姿はさすがだなと。一方でリタイアをしてしまった眞貝選手には申し訳なく思っています。ラリーでは日常茶飯事とも言える程度のダメージで走れなくなってしまうようではいけません。あらためて詳細を検証し、解決すべき部分だと思っています」
「また、今回はモリゾウさんの全日本ラリーを盛り上げようという想いで特別なラリーになったと思います。ラリーショーやデモランなど、全体の雰囲気が盛り上がりましたし、来ていただいた皆さんにもモリゾウさんの想いが伝わったのではないでしょうか」


