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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2023.11.13 17:59

8台だったサポート計画が5台に減少。難航するポルシェ963の供給、2024年の新車は1台のみ

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ル・マン/WEC | 8台だったサポート計画が5台に減少。難航するポルシェ963の供給、2024年の新車は1台のみ

 LMDhのファクトリーディレクターであるウルス・クラトルによると、サプライチェーンの制限により、ポルシェは来年始めに予定していた『ポルシェ963』カスタマーカーの割り当てを絞ることになったという。また、彼は2024年WEC世界耐久選手権に登場する新車が1台だけになることを明かした。

 これまでプライベーターチームにLMDhマシンを提供してきた唯一のブランドであるドイツのメーカーは今年、ハーツ・チーム・JOTA、JDCミラー・モータースポーツ、そしてプロトン・コンペティションがWECとIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にカスタマーカーを投入するのをサポートした。

 クラトルは、ポルシェの当初の計画では2024年に顧客に割り当てるクルマを倍増させる予定だったが、その代わりWECのJOTA用に963カスタマーカーを1台追加することに集中すると明かした。

「ポルシェのプロジェクト初期における計画では、2023年は各シリーズに2台のカスタマーカーを投入する予定だった」とクラトルは説明した。

「しかし最初の計画よりも遅れてスタートし、シーズン途中のデリバリーとなった。また、オリジナルのプランでは、来年は各シリーズに4台のカスタマーカーを投入することになっていた。その計画は今年中に変更された。(供給する)クルマが少なくなったんだ」

「今年(のWECに)はプロトンとJOTAの2台がある。IMSAにも2台のクルマがある。今はこれでOKだ」

「2024年に向けては、ドイツで2台目のJOTA用マシンを製作中で、JOTAはACOフランス西部自動車クラブの許可を得て2台体制となる。プロトンは1台のままだ」

「IMSAでは、すでにある2台のマシンを使うことになる。つまり、我々はクルマの数は当初の予定より3台少ないことになる」

 カスタマーへの割り当てを減らす理由を尋ねられたクラトルは、IMSAやACOのLMDh仕様ハイブリッドバッテリー供給元であるWAE(ウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング)との問題など、現在のサプライチェーン上の制約を指摘した。

「理由は非常に明白でサプライチェーンにある。私たちのサプライチェーンに負荷がかかり過ぎるだけだ。また、カスタマーサポートなどのシステム全体にも必要以上の負荷がかかる」

「ポルシェは顧客にとって良いサポートを提供したいと考えているため、シーズン中盤にはサポートに本当に限界が来ていると感じていた。いま、この時点では限界に達している」

「ワークスチームと963プログラム全体では、この数字が出た2年前に想定してほど進んでいない」

「現在、バッテリーの供給にも少し問題があることが分かった。これは秘密ではなく公表されていることだ」と彼は付け加えた。

「より多くのマシンを出場させるには、それは問題になるだろう」

共通ハイブリッドシステムを構成する、ウイリアムズ・アドバンスト・エンジニアリング製のバッテリー
共通ハイブリッドシステムを構成する、ウイリアムズ・アドバンスト・エンジニアリング製のバッテリー
プロトン・コンペティションはWECとIMSAの両シリーズに参戦中。写真はWECバーレーンでの99号車ポルシェ963
プロトン・コンペティションはWECとIMSAの両シリーズに参戦中。写真はWECバーレーンでの99号車ポルシェ963

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この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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