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ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2024.03.17 13:14
更新日: 2024.03.17 13:22

好バトルの末、WTRアンドレッティ・アキュラが逆転優勝。黄金レクサスはGTDプロを制す/セブリング12時間

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ル・マン/WEC | 好バトルの末、WTRアンドレッティ・アキュラが逆転優勝。黄金レクサスはGTDプロを制す/セブリング12時間

 チェッカーまで残り60分のタイミングでリスタート。そこから約10分後、デレトラズ駆る40号車アキュラが、最終コーナーで前を走る7号車ポルシェに仕掛けて2番手に浮上し、首位を行く01号車キャデラックに接近していく。直後、55号車フォード・マスタング(プロトン・コンペティション)がターン9でストップしたため10回目のFCYが導入された。残り40分でリスタートが切られるも、ターン15に置き去りにされたボディパーツを回収するため5分後にふたたびFCYが入りレースはラスト23分のスプリントに。

 逃げるブルデーと僅差で追うデレトラズ。その差は1秒以内だ。3番手に下がった7号車ポルシェはじりじりと離され、残り15分の段階でトップ2から約5秒差に。レース残り10分、優勝争いはさらに激しさを増しトラフィックが絡むなかラスト6分を切ったところでついに、40号車アキュラのデレトラズが01号車キャデラックのオーバーテイクに成功する。再逆転のために食らいついていきたいブルデーだったがその余力はなく、無常にも徐々にライバルの背中が遠のいていく。その数分後、40号車アキュラが花火とともに333周目にトップチェッカーを受け、12時間におよんだ長丁場のレースを締めくくった。

 レース序盤から幾度もレースを牽引した01号車キャデラックは0.891秒およばず総合2位、トップと8.8秒の同3位に7号車ポルシェが入った。4位以下は25号車BMW、10号車アキュラ、24号車BMWと続き、このレースが北米デビュー戦となった63号車ランボルギーニがトップと同一周回の総合7位で入賞を果たした。総合8位は5号車ポルシェ、6号車ポルシェは2周遅れ同9位での完走となっている。

 LMP2クラスでは、ポールシッターの99号車オレカ07・ギブソン(AOレーシング)と、2号車/22号車オレカ07の2台体体制で参戦するユナイテッド・オートスポーツがレース序盤の主導権を争った。中盤以降は11号車オレカ07(TDSレーシング)や18号車オレカ07(Eraモータースポーツ)が台頭。終盤にはタイヤのパンクやピット作業違反のペナルティなどで後れを取っていた04号車オレカ07(クラウドストライク・レーシング・バイ・APR)もトップ3に割って入ってきたが、同車は最終盤のスピンによりクラス後方に沈む。

 一方、虎視眈々の走りでラスト1時間を切ってクラストップに浮上したEra18号車はこの機を逃さず。TDS11号車の追撃を1.127秒差で振り切り、第1戦デイトナ24時間レースに続く開幕2連勝を達成した。クラス3位はユナイテッド・オートスポーツ22号車だ。

好バトルの末、WTRアンドレッティ・アキュラが逆転優勝。黄金レクサスはGTDプロを制す/セブリング12時間
LMP2クラスで開幕2連勝を達成したEraモータースポーツの18号車オレカ07(ドワイト・メリマン/ライアン・ダルジエル/コナー・ジリッシュ組) 2024年IMSA第2戦セブリング12時間
好バトルの末、WTRアンドレッティ・アキュラが逆転優勝。黄金レクサスはGTDプロを制す/セブリング12時間
優勝を喜ぶWTR・ウィズ・アンドレッティのクルーと、チームの共同オーナーであるウェイン・テイラー(右) 2024年IMSA第2戦セブリング12時間

■わずか0.121秒差のフォトフィニッシュ

 FIA GT3車両が用いられるGTDプロ/GTDクラスは、バッサー・サリバンが走らせる14号車/12号車レクサスRC F GT3が両クラスのリーダーとして序盤戦を牽引。しかしGTDプロのポールシッターであった14号車レクサスは、最初のピットストップで同チームのクルーとピットアウトしようとしたマシンが接触するアクシデントがあり、これがドライブスルー・ペナルティの対象に。後れを取ったレクサスに代わって昨季2023年のGTD王者1号車BMW M4 GT3(ポール・ミラー・レーシング)がトップに立つも、2度目のピットストップ後には64号車フォード・マスタングGT3(フォード・マルチマチック・モータースポーツ)がクラス首位に浮上。僅差で1号車BMW、3号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(コルベット・レーシング・バイ・プラット・ミラー・モータースポーツ)が続く展開となる。

 その後もスティントごとにトップが入れ替わっていくなか、14号車レクサスは残り2時間の段階でふたたびGTDプロクラスの首位に返り咲く。終盤、立て続けにFCYが導入されるなか62号車フェラーリ296 GT3(リシ・コンペティツィオーネ)にポジションを奪われたが、10回目のリスタート時に王者ジャック・ホークスワースが296 GT3を攻略。最後はダニエル・セラの62号車フェラーリが意地を見せるも、チャンピオンカーであるレクサスが0.121秒早くフィニッシュラインを通過し今季初優勝を決めた。

 クラス3位表彰台は19号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(アイアン・リンク)が獲得した。直前まで3番手を走っていた3号車コルベットは、表彰台をかけて順位争っていた77号車ポルシェ911 GT3 R(AOレーシング)との接触によってコース上にストップしたままレースを終え、“レクシー”こと恐竜カラーのポルシェはドライブスルー・ペナルティを受けてクラス9位に沈んだ。

 GTDクラスでは前戦の勝者である57号車メルセデスAMG GT3(ウインワード・レーシング)が強さを発揮。3時間目から5時間目にかけてクラスリーダーとなった同車はレースの折返しでもトップに立ち、その後やや順位を落とすも終盤にふたたびクラスの牽引役を引き受けると、最後は0.646秒の僅差で47号車フェラーリ296 GT3(チェティラー・レーシング)を引き連れてトップチェッカー。LMP2クラスのEraと同じく開幕2連勝を飾った。クラス3位には、ブラッド・ピット主演のF1映画撮影用リバリーをまとったデイトナ戦とは異なる装いで今戦に臨んだ120号車ポルシェ911 GT3 R(ライト・モータースポーツ)が入っている。

 フロリダ半島での耐久2連戦“フロリダ36時間”を終えたIMSAウェザーテック選手権の次戦は『アキュラ・グランプリ・オブ・ロング・ビーチ』だ。GTPとGTDの2クラスのみが参加するこの第3戦は4月19~20日にロングビーチ市街地コースで行われる。レースフォーマットは100分のスプリントだ。

好バトルの末、WTRアンドレッティ・アキュラが逆転優勝。黄金レクサスはGTDプロを制す/セブリング12時間
GTDクラスで開幕2連勝をマークしたウインワード・レーシングの57号車メルセデスAMG GT3(ラッセル・ワード/フィリップ・エリス/インディ・ドンジェ組) 2024年IMSA第2戦セブリング12時間
好バトルの末、WTRアンドレッティ・アキュラが逆転優勝。黄金レクサスはGTDプロを制す/セブリング12時間
GTDプロでクラス優勝を飾ったバッサー・サリバンの14号車レクサスRC F GT3(ジャック・ホークスワース/ベン・バーニコート/カイル・カークウッド組) 2024年IMSA第2戦セブリング12時間


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