ハイパーカー・メーカーの各社がフィヨン会長の提案に対してさまざまな反応を示すなか、ポルシェ・モータースポーツを率いるトーマス・ローデンバッハは慎重な姿勢を見せた。

「もしポルシェ963がアジアでレースをするのであれば、我々は喜んで参加するよ。しかし正直なところ、カスタマーチームに限られるのであれば、今のままであればワンメイクのシリーズになる」

 Sportscar365から、ポルシェがこの地域で963を走らせるのに充分な顧客を抱えていると思うか、と問われたローデンバッハは「たぶん1チームか2チームだろう」と答えた。

「アジアでは、おそらく最初の数年間はより大きなサポートを考慮に入れなければならないだろう。たしかに(JOTAスポーツレベルの)チームは多くない。マシンをうまく扱い、成功させるためには、より多くのサポートが必要だということだ」

 しかしローデンバッハは、ポルシェがこのコンセプトに賛同するためには、他のメーカーもマシンを顧客に提供する必要があると強調した。

「世界中に35のワンメイク・シリーズがあると思う。我々は963を使用した36番目のそれを探しているわけではないんだ」

「もし競争があり、他のメーカーがそうすることを決めたら、私は疑問符を付けるだろうが、もし彼らがそうすると決めたなら我々は顧客を通じて喜んで参加するつもりだ」

 一方、BMW Mモータースポーツ・ディレクターのアンドレアス・ルースは、AsLMSにこのクラスを追加するのは時期尚早だと考えている。

「AsLMSのような選手権で走らせるには、マシンはまだ複雑すぎる」と語ったルース。

「今のところ、クルマがそうであるように思えない。2~3年後にはこのようなことも議論できるかもしれないけどね。でも今のところは、クルマがどれだけ複雑で、複数の選手権で走らせることができるかを考えると……」

「間違いなく、(BMW側から)プッシュされることはないだろう」

 TOYOTA GAZOO Racingのチームディレクター、ロブ・ロイペンは次のように付け加えた。

「そんなこと初めて聞いたよ。反応のしようがない」

「どれほどの規模になるのか、どのライバルが関わっているのか、私は何も知らない」

AsLMSにプライベーター限定でハイパーカー導入の可能性を示唆。ACOの考えと各メーカーの反応は
プライベーターとしてWECハイパーカークラスに参戦するハーツ・チームJOTA(ポルシェ963)
アジアン・ル・マン・シリーズにハイパーカークラス導入か。ACOの考えと各メーカーの反応
IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスに参戦している、プライベーターのJDCミラー・モータースポーツ(手前)とプロトン・コンペティション(奥)のポルシェ963

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