レース終盤には3番手の2号車ポルシェを周回遅れにして盤石の体制を築いたかにみえたトヨタ勢だったが、チェッカーまで残り40分を切ったタイミングでほころびが生じる。
総合首位を走行していた7号車トヨタが、13コーナーでLM-GTEプロクラスの91号車ポルシェ911 RSRをイン側からオーバーテイクしようしたところ、2台の走行ラインが重なり側面同士を激しく衝突させてしまう。
ロペス駆る7号車トヨタは自力でピットまで戻ってきたものの、左リヤの足回りを損傷させた影響でガレージでの修復作業を余儀なくされてしまった。このアクシデントによってLMP1クラスの順位は、首位8号車トヨタ、2番手2号車ポルシェ、以下1号車ポルシェ、7号車トヨタと変化。最終的にこの順位は変わらず各車がチェッカー受けたことで8号車トヨタが前戦富士に続く2連勝、今季通算4勝目を飾っている。
なお、チャンピオンシップ争いでは、ランキングトップの2号車ポルシェが3位以内でフィニッシュすれば最終戦を前に王者が決まる状況のなかで2位となったため、ベルンハルト/バンバー/ハートレー組のドライバーズタイトルが確定した。また、ポルシェは2015年から3年連続となるマニュファクチャラーズタイトルも獲得している。
レース中盤から終盤にかけて多くの接近戦が繰り広げられたLMP2クラスは、ポールスタートのヴァイヨン・レベリオンの31号車オレカ07・ギブソン(ジュリアン・キャナル/ブルーノ・セナ/ニコラス・プロスト)が今季3勝目を飾り、クラス3位に入った僚友13号車オレカとともにダブル・ポディウムを獲得した。
クラス2位はシグナテック・アルピーヌ・マットムートの36号車アルピーヌA470・ギブソン。ランキングトップで母国ラウンドを迎えたジャッキー・チェン・DCレーシングの38号車オレカ07・ギブソンは終盤の表彰台争いに破れ、クラス4位になると同時にランキングトップの座を31号車オレカに譲っている。