開幕戦をクラス中もっとも軽い1249kgで戦ったポルシェ911 RSRは、次戦で17kg分のウエイトを積むこととなったほか、エンジンパワーを制限している吸気エアリストリクター径がφ30.3mm×2と従来より0.6mm小さくなった。なお、北米からスポット参戦するシボレー・コルベットC7.Rは最低重量1244kg、エアリストリクター径はφ29.5mm×2となっている。
この他、燃料タンク容量もフェラーリを除く各車に変更がみられるが、1スティントあたりの最大周回数を14周に揃えるとともに、満タンまでの給油時間が35秒となるよう給油リストリクター径とあわせて調整がなされているという。
■性能抑制はGTEアマクラスでも
最新モデルの1年落ちのカスタマーカーで争われるLM-GTEアマクラスでもル・マン用のBoPが発表され、プロクラスと同様にスピードを抑える方向での調整が入った。
このうち、スパ6時間でワン・ツー・フィニッシュを飾ったアストンマーチン・バンテージは1263kgの車両重量は据え置かれたものの、吸気リストリクターがφ29.4mm×2からφ28.8mm×2に縮小されている。
また、今シーズンからミッドシップレイアウトの911 RSRが使用可能となったポルシェは前戦から4kg増の1269kgとなるほか、吸気リストリクター径もφ30.5mm×2から0.6mm小さいものに置き換えられる。
一方、澤圭太を擁するクリアウォーター・レーシングや石川資章が率いるMRレーシングが使用するフェラーリ488 GTEでは、1295kgだった車重が1291kgへと僅かながら減らされているが、ターボブースト圧に調整が入っており、ライバルと同様にエンジンの最大出力が抑えられる見込みだ。
燃料タンク容量はプロクラスと同様、1スティント14周となるように調整が行われ、アストンマーチンとポルシェが100L、フェラーリは91Lとなった。また、満タンまでの給油時間は安全性を考慮し45秒を目安に揃えられているという。
今回発表されたBoPは6月3日にサルト・サーキットで行われる“テストデー”から適用されることとなるが、FIAはテスト後ならびにル・マン本戦のレースウイーク中にもこれを変更することが可能としている。


