ちなみにメキシコのレースは20度前半の気温が予想され、ドライバー2人で問題なく走り切れると読んだ。
このふたつの不測の事態により、メキシコ6時間レースの初日はTOYOTA GAZOO Racingにとって非常に多忙な1日になった。#6号車のクルーはモノコックの交換に時間を取られ、#5号車は中嶋一貴とセバスチャン・ブエミの2人が2度の公式練習セッション中に可能な限りのデータ収集に励んだ。
通常のセットアップ作業に加え、高地にあるメキシコシティならではの解決しなければならない問題があった。それは高地の希薄な空気によって減少したダウンフォースをいかに回復するかという難題。加えて冷却能力も減少し、パワートレイン、ブレーキの冷却が課題になってくる点だ。

TS050 HYBRID #5号車はこの問題の改善を進め、その効果は3回行われたセッションで確認された。空力、メカニカル及びパワートレインのセッティングも満足のいくレベルが得られた。
コースの状況は時間の経過と共に改善され、午前中のセッションが終わる頃にはコース上の埃や土は排除され、グリップ向上が確認された。しかし、公式練習2回目開始時に降った雨でコースのグリップは元に戻ってしまった。

トータル4時間半に及ぶ走行セッションが終了して、TS050 HYBRID #5号車は1分26秒714のタイムを記録、5番手で初日を終えた。走行距離は113周・486kmに及んだ。
