一方、4番手グリッドから決勝に臨んだ55号車マツダも、レース序盤は僚友とともに上位を走行する。しかし、77号車がストップする直前のスタートから6時間40分経過時に突然スロー走行となり、そのままガレージイン。
チームは、燃料リークが原因だったこのトラブルに迅速に対応し55号車を戦線に復帰させるが、同車はこの時点でトップから3周遅れになってしまった。
それでも55号車のドライバー陣は諦めることなく挽回を図り、最大3周遅れだったギャップを1周と30秒にまで減らすとともに、順位を5番手まで戻すことに成功する。次にセーフティカーが導入されれば、リードラップ(トップと同一周回)への復帰もみえていたが、27日の明け方4時過ぎ、不運にもアクシデントに巻き込まれてしまう。
コース幅が狭くなるインフィールドセクションでGTクラスのマシンと接触、スピンを喫した55号車は、左リヤの足回りを壊してグラベル上にストップしてしまう。
その後回収されピットにガレージに戻され55号車だったが、リヤに想像以上のダメージを受けていたことからチームはリタイアを決断。ここでマツダチーム・ヨーストにとって2回目のデイトナ24時間が終了することとなった。
「まず、今月はマツダモータースポーツにとって大きなマイルストーンになった月だと言えるだろう」と語るのはマツダモータースポーツの指揮を執るジョン・ドゥーナン代表。
「テストデーでもそうだったが、(我々は)みんなが驚くタイムを記録し、それが本物であることを今週の予選でも示すことができた。また、24時間レースの序盤は実際にレースをリードすることができたんだ」
しかし、結果はチームの望むものにはならず。トラブルについて、ドゥーナンはこれまでに起きていないものだと説明している。
「(長丁場のレースに向けた)準備は万全だと思っていたのだが、またしてもデイトナの試練に直面し、完走と究極の目標である総合優勝の両方を逃してしまった」
「今回のレースで起きたトラブルは、2018年シーズンと今季のオフシーズンテストでも起きていなかったものだよ」
「55号車のリタイアを決めた後、(シャシービルダーの)マルチマチックと(エンジン開発担当の)AER、そしてチーム・ヨーストを含めたチーム全体を集め、次戦セブリング12時間までに何ができるか、それぞれのアイデアを持ち寄ってミーティングをした」
「もちろんこの伝統的な12時間レースでも、優勝するのが目標だよ! さらに耐久テストとデータ蓄積を重ね、マツダRT24-Pのパッケージがデイトナ24時間をフルに戦い、優勝できるポテンシャルがあることを確かなものにしたいと思っているんだ」
マツダが挑むIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの次戦、第2戦セブリング12時間レースは3月13~16日、アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェインで開催される。