「大変なレースだっただけに、セブリングで勝つことができて最高の気分です。外からは簡単なレースに見えたかも知れませんが、僕は最初の担当走行時からコース上の混雑に苦しめられていました」と語るのは、8号車の最終スティントを任された一貴。
「最後に再びステアリングを握ったとき、やるべきことは分かっていました。リスクを負うことなく、着実に最後まで走り切るということです。ドライコンディションでのクルマには満足していましたが、終盤、雨が降ってきてからは大変でした」
「視界が悪く、路面グリップも信じられないほど低下しました。それだけに、無事にチェッカーフラッグを受けられて本当に良かったです」
また、チームメイトのブエミも久々の優勝を喜ぶ。
「長く待ち望んだ表彰台の真ん中に再び上がることができて本当にうれしいよ。コース上のトラフィックを処理するのが本当に難しいレースだった」
「僕の最初の担当走行時は、後ろから追ってくるホセ(-マリア・ロペス)がとても速く、首位をキープするために懸命にプッシュしなくてはならなかった。7号車との差を広げたかったけれど、彼らが(他クラスのクルマと)接触をするまでは10秒以内の僅差での争いだったんだ」
決勝前日のヒーローとなったアロンソは「我々にとって良い一日となった」と率直なコメントした。
「この非常に難しいサーキットでのレースへ向け、僕たちは多くのテストをこなし準備をしてきた。(そのため)好感触でレースウイークを迎え、特にポールポジションを獲得できたことで力強いレースができるという自信も持つことができたんだ」
「僕らはリスクを最小限に抑えながらレースをリードし続けた。最後の雨はとても心配だったけど、カズキがあの難コンディションのなかで素晴らしい仕事をしてくれたね。そのおかげで伝統のコースで勝利を挙げることができたよ」
一方、中盤まで8号車との接戦を繰り広げていた7号車は、レーススタートから4時間過ぎ、ロペスのドライブ中にGTEアマクラスのマシンと交錯してしまう。軽い接触と瞬間的に縁石を跨いだことで、エンジンカバーおよび車両後部のボディパーツの交換を余儀なくされた。
この緊急ピットインの影響で、7号車はトップを行く8号車トヨタからラップダウンに。結局この差はチェッカーまで埋まらず富士、上海に続く3連勝を目指したコンウェイ、可夢偉、ロペス組は総合2位でのフィニッシュとなった。
なお、7号車は可夢偉のドライブで決勝中の歴代ファステストラップとなる1分41秒800を記録。前日、アロンソが記録した予選ファステストラップと並んでセブリングにその名を残している。また、TOYOTA GAZOO Racingは今回の勝利で13カ月に及ぶスーパーシーズンで5度目のワン・ツー・フィニッシュを達成した。
■「GTカーの動きを読み誤った」と7号車のロペス



