だが、富士は、そこまでダウンフォースを必要としないコース。それがトヨタの空力パッケージにはマッチしているはずだ。また、ライバルたちが警戒しているのは、トヨタのメカニカルグリップの良さ。これがテクニカル区間のセクター3で威力を発揮するものと見られている。
燃費の良さも武器となるだろう。ここまでの中盤戦を振り返っても、トヨタは予選一発というよりもレースに強く、第5戦メキシコ、第6戦サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で、小林可夢偉が駆る6号車が連続3位表彰台を獲得しており、得意の富士ではそれ以上の成績も期待される。今季初優勝の可能性も充分だ。
ここまで中嶋一貴が駆る5号車は、なぜかたびたびトラブルに泣かされてきたが、一貴はこれまで富士との相性が抜群。6号車にも期待がかかっており、ひょっとすれば富士の勝利の女神が、ふたたび一貴に微笑みかけるかもしれない。