トヨタGAZOO Racingのセバスチャン・ブエミは、ライバルであるアルピーヌの「ストレートスピードに苦戦している」という主張に納得していない様子だ。

「彼らが(スパよりも性能が)落ちている理由は見当たらないし、スパよりも(BoP=性能調整で)パワーを得ているじゃないか」

「僕らは長い間、彼らと競争してきた。そこに驚きはない。彼らは肝心のレースでは、もっと良くなるはずだ」

 なお、TGR-Eのテクニカル・ディレクターを務めるパスカル・バセロンは、サルト・サーキットにおいてGR010ハイブリッドが電気モーターのブーストをデプロイできる場所について明らかにした。

「テルトル・ルージュの出口と、ポルシェコーナーのいくつかの出口で使うことができる」とバセロン。

 フロントアクスルに搭載されるトヨタのハイブリッド・モーターは、今季のBoPにより、車速が190km/h以上にある状態でしか、使用することができない。

■いわゆる“最終コーナー”に命名権

 常設のブガッティ・サーキットと、サルト・サーキットが交わる“ラコルドマン”コーナーは、モチュールがスポンサーを務めることとなった。

 火曜日の朝に行われたセレモニーで、このコーナーは「Virage du Raccordement Motul(ヴィラージュ・ドゥ・ラコルドマン・モチュール)」と改名された。

 フランスの潤滑油メーカーであるモチュール社のオイルは、ル・マンに参戦するすべてのLMP2チームと、グリッケンハウスのハイパーカーで使用されている。

ブガッティサーキットの最終コーナー、そしてサルト・サーキットのフォードシケイン終端部のコーナーに、モチュールの名が与えられることとなった
ブガッティサーキットの最終コーナー、そしてサルト・サーキットのフォードシケイン終端部のコーナーに、モチュールの名が与えられることとなった

■ドライバー関連情報まとめ

 ABB FIAフォーミュラE世界チャンピオンのニック・デ・フリースは、トヨタのリザーブドライバーとしてパドックを訪れている。

トヨタのリザーブドライバーを務めるニック・デ・フリース
トヨタのリザーブドライバーを務めるニック・デ・フリース


 インターユーロポル・コンペティションの34号車オレカ07・ギブソンでLMP2に挑むアレックス・ブランドルは、父マーティン、ルーカス・オルドネスとともにル・マンにデビューしてから10年経った今年、9回目のル・マン参戦を迎えている。

 この10年間で、ドライバーのラインナップはより競争力が増し、真剣勝負になってきたと彼は言う。「このレースから、すべての“デッドウエイト”は取り除かれたんだ」とブランドルは表現している。


 アレクサンダー・シムズは、昨年のIMSAモチュール・プチ・ル・マン以来、7カ月ぶりにLMGTE仕様のシボレー・コルベットC8.Rでレースに挑んでいる。

 彼はここ3週間、ニュルブルクリンク24時間レースでのBMW M4 GT3、フォーミュラEジャカルタ戦でのマヒンドラM8エレクトロ、そしてコルベットと、3台のまったく異なるタイプのマシンをドライブすることになる。


 WRC王者のセバスチャン・オジエは、リシャール・ミル・レーシングチームからのル・マンデビューに向けて2〜3kgの減量を行ったという。これにより、オジエは1号車オレカのパフォーマンスを最大限に引き出すことを目指している。

サルト・サーキットで言葉を交わすセバスチャン・オジエとロバート・クビサ
サルト・サーキットで言葉を交わすセバスチャン・オジエとロバート・クビサ

■“仮設ピット”に戻ったユナイテッドAS

 LMP2に2台をエントリーするユナイテッド・オートスポーツは今年、ピット入口に最も近いふたつの仮設ピットガレージへと戻っている。

 ブガッティサーキットの常設ピット数は60で、62台がエントリーするには、ピット棟とコントロールタワーの間にある通路に、この仮設ピットを設ける必要がある。

 昨年のレースではハイクラス・レーシングがこのスペースを使用していたが、2020年はユナイテッド・オートスポーツが使っていた。

 チームの共同オーナーであるリチャード・ディーンは、この仮設ピットには長所と短所がある、とかつて語っていた。

 いわく、地下からの燃料供給システムに接続できないため、ドラム缶で燃料を保管しなければならないという短所がある一方、ガレージ後方のスペースを広く使えるという長所もあるという。

 なお、ユナイテッドの隣、常設ピットの最も最終コーナー寄りは、2012年の復帰以来トヨタの定位置となっている。

ピットロード入口に最も近い仮設ピットを使用するユナイテッド・オートスポーツ。写真右はコントロールタワー
ピットロード入口に最も近い仮設ピットを使用するユナイテッド・オートスポーツ。写真右はコントロールタワー

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 レースウイークの走行初日となる8日(水)は現地時間14時(日本時間21時)から3時間のフリープラクティス1が行われる。その後、19時(日本時間翌2時)から1時間の予選セッションが行われ、翌日の“ハイパーポール”へと進出する各クラス上位6台を決定する。

 さらに現地時間22時(日本時間翌5時)から、2時間のフリープラクティス2で、62台のマシンとドライバーはサルト・サーキットで今年初めてとなるナイトセッションを走行する。

サーキット周辺道路脇の標識
サーキット周辺道路脇の標識

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