フェラーリはこの日、初めて499Pのレース用カラーリングも披露した。レッドのベースカラーにイエローのラインは差し込んだリバリーは、1972年の世界スポーツカー選手権で優勝した『フェラーリ312PB』のカラースキームと似ている。このクルマは、同社がマラネロで製造した最後のスポーツプロトタイプ・ワークスカーでもある。
LMHメーカーのトヨタ、プジョー、グリッケンハウスに加え、LMDh勢のポルシェ、キャデラックなどが集う2023年のWECに参戦する2台のフェラーリ499Pは、50号車と51号車として登場する予定だ。
前者はフェラーリが最後にスポーツカーレースのトップカテゴリーに参戦してから50周年となることをちなんだもの。後者は近年のLMGTEプロクラスや主要なGTレースに公式参戦しているフェラーリのナンバーだ。
フェラーリのスポーツカー・レーシングディレクターで、このクルマの開発を主導したアントネッロ・コレッタは、「499Pは夢を実現させたようなクルマだ」と語っている。
「この2年間、プロジェクトに懸命に取り組んできたすべての人々にとって、今日は重要な瞬間だ」
「私たちは、成功と称号で構成された過去について、大小を問わず多くの言及とともに、私たちの歴史に敬意を表したいと考えた。一方で、私たちは将来を見据え、世界耐久選手権へのコミットメントのマニフェストを作成した」
「499Pは、あらゆる意味でフェラーリらしいプロトタイプであり、ついに我々のクライアントや多くのフェラーリファンの皆さんにお見せできることに、大きな興奮を覚えている」
同社のテクニカルディレクター、フェルディナンド・カニーゾは、フェラーリGTトラックカー開発の責任者として、「チーム全体と私自身にとって、これは本当にスリリングな瞬間だ」と付け加えた。
「私たちは大きな責任を負っていることを自覚している。我々は真新しく、あらゆる面で特に複雑なクルマを設計し、エンジニアリングしてきた。この前例のない挑戦は、社内のあらゆる部門と技術パートナーを巻き込み、包括的ですべてを共有するコラボレーションへと皆を駆り立てたんだ」
来年100周年を迎えるル・マン24時間と、同大会をカレンダーに組み込むWECへの投入が予定されている『フェラーリ499P』は規定上、北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスへの参加資格を有する。しかしイタリアのメーカーは、現時点ではWECでのみプログラムを実施するとしている。
