ミシュランは、ル・マンのトラック温度やコンディションの幅をカバーするため、新仕様のタイヤでも引き続きコンパウンドの異なる3種類のスリックタイヤを用意する予定だ。同シーズン他のWECラウンドや、北米のウェザーテック選手権でも、同じコンパウンドを選択できるようにする計画だという。

 また、ウエットタイヤの仕様をひとつにするという方針は、新世代にも引き継がれることが確認された。

 ボナデルは、現在ル・マンでグッドイヤーが供給しているLMP2カテゴリーのように、ハイパーカーのタイヤレンジが単一のコンパウンドに集約されることをミシュランは「望んでいない」と指摘した。

「それは、私たちからすると正しいアプローチだと感じるものではない」と同氏。

「レースにおいて、タイヤはつねに重要であると感じている。タイヤはル・マンの歴史の一部だ。私たちは、何らかのタイヤ戦略を持ちたいと考えている。それは重要なことだと思う」

「私たちはなにも10種類のタイヤを求めているわけではない。ある1台のクルマのためのタイヤを求めているわけでもない。それはすでに標準化されているんだ」

「将来的に2種類に移行することは可能だろうか? 将来、ある仕様があまりうまく使われていないかどうかが分かってくる。そうすれば、それを取り除くことができるはずだ」

「6スティント(保つ仕様)に移行すると、ある時点でソフトタイヤが摩耗の面で柔らかすぎるかもしれない。では、それをミディアムに近い仕様にした場合、非常に硬いタイヤが必要になるのか? それはこれから決めることだ」

「すべての領域をカバーするためには、3種類のスリックタイヤが必要だと考えている。(ル・マン以外の)他のレースでは最大2種類となる」

 ミシュランの将来のハイパーカーとGTPタイヤの仕様に関する計画は、独占供給契約の一環として、WECとウェザーテック選手権の主催者とともに開発されることとなる。

 ボナデルは「我々にとっての課題は、(素材を変えながら現在と)同じパフォーマンスを維持することだ」と続けた。

「30年間開発されてきたテクノロジーを、高性能でありながら環境負荷の少ない新しい技術に置き換えること。これが技術的課題を興味深いものにしている理由だ」

「WECは、新しいタイヤや技術を導入し、我々にチャレンジする可能性を与えてくれるんだ」

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