ポールを獲得したトヨタ陣営のトップ、国本雄資(P.MU / CERUMO · INGING)のセクタータイムと、ホンダ陣営のトップ、予選5番手の山本尚貴のセクタータイムを比較すると、

国本雄資 18秒553/24秒463/40秒028
山本尚貴 18秒760/24秒422/40秒296

以上のタイムからも、セクター1とセクター3で約0.2秒ずつ差が付いていることが分かる。

 ホンダの佐伯昌浩プロジェクトリーダーは「車体、エンジン含め、パッケージとして詰め切れなかった部分の差が出たと思います。セクター3は差がありましたね。この僅差のスーパーフォーミュラでコンマ2秒差は大きい」と、ウイークポイントを把握するも、ドライバーやチーム、それぞれで事情も異なるため、一概にどこが良くないと断言できないという。

 チーム側からも声として多かったのは、この富士ではトヨタ陣営のエンジンパフォーマンスが優れているという点。出力自体に大きな差はなさそうだが、セクター3での上り区間ではエンジンのピックアップ、ターボラグなどの細かい制御やマッピングの部分の差が出ているという見方が多かった。

 当然、トヨタ陣営はこの富士をベースに開発を進め、テストも多くこなしているだけに、エンジンの特性面でホンダ陣営以上に富士のサーキットとのマッチングがいいのは理解できる。一方、ホンダ陣営としては鈴鹿、SUGO、オートポリスなどをエンジン特性面で得意としており、それぞれの個性の違いとも言えるが、いかんせん、ホンダ陣営は富士では厳しい戦いが強いられる。

●明日の戦略とレースのポイント

 明日の決勝のポイントは、優勝争いはもちろん、スタートが重要になることは間違いないが、その次のポイントとしてはピットインタイミングがフォーカスされる。55周の周回数の内、10周分程度は給油が必要で無給油作戦は難しそう。スタートから10周過ぎに先にピットインするドライバーたちと、後半にピットインするドライバーたち、前回の岡山のレース2のように、2グループに分かれて展開するパターンになりそうな気配だ。

 また、今日の予選でも路面温度が49度まで上がったように、タイヤのタレは大きくなるため、どこまでタイヤを持たせることができるかは大きなポイント。タイヤのグリップダウンが大きくなることからも、オーバーテイクがしやすい状況にあり、各ドライバーのバトルが多く見ることができそうだ。

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