山本の移籍は自身がより速く、強くなるための決断だったということが分かった。同時に、この移籍の影響は“山本だけ”にとどまらない。

 山本と入れ替わるかたちでダンディライアンからTEAM MUGENへと移籍する野尻智紀は、これまで決勝でのロングランペースに課題を抱えてきた。これまで模索してきたその答えは、新天地であっさり見つけられるかもしれない。同様のことは他のドライバーにも当てはまり、結果的に山本の移籍はホンダ陣営全体の底上げにつながる可能性を秘めている。

 環境の変化と言えば、戦いの場を欧州から日本へ移す福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)にも注目したい。昨年、4戦に出場した福住は、今年、山本とともに無限からダンディライアンへと移籍する。スーパーフォーミュラ経験が少ない福住は、これまでの固定観念が少ないぶん山本以上に新たな環境に柔軟に対応できる可能性はある。

 スーパーフォーミュラとGT500に参戦する牧野は、14年の4輪レースデビュー以降、毎年、チームを移りさまざまなシリーズを戦ってきた。昨年はFIA‐F2で日本人初となるレース1優勝を果たしながらもシリーズランキングは13位に低迷した。心機一転、今年は国内で戦うことになったが、その胸中にはどのような思いがあるのか。

「もちろんヨーロッパでフォーミュラを走っていたかったという思いはありますが、いまはとにかく目の前のことに集中して結果を残したい。GT500も楽しみです。昨年末のセパンテストではさまざまなタイヤを試して本当に勉強になりました。今年は年間を通しての走行距離も多くなりますし、自分にとって知識やドライビングの引き出しを増やす1年にします。F1ですか? もちろんあきらめていません!」

 スーパーフォーミュラでの連覇に向けて王者・山本を軸に据えながら大胆な体制を敷いてきたホンダ陣営。この布陣がいったいどのように機能するのか、いまから開幕が待ち遠しい。

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