予選順位の結果からも、決勝で上位を狙うには他車とは異なるやや奇襲めいた戦略を採らざるを得ないのは理解できる。ただ、それでもレースでは伊沢拓也や野尻智紀にオーバーテイクされる場面が目立つ結果になってしまった。真っ先にピットインしているためタイヤマネジメントに徹していたという面はあるにしても、可夢偉の持ち味とも言えるアグレッシブな走りや、観客を沸かせるシーンを見ることはできず、むしろ、可夢偉が繰り返し言葉にしていた「スーパーフォーミュラは甘くはない」という難しさが際だった形となった。

 可夢偉自身は、今後に向けての目標を「早く結果を残すことだと思いますが、そこまで行く道のりでやることはいっぱいある」と語る。次戦の舞台となる岡山は、昨年12月のSF初走行も含めるとここまで合計4日間と、可夢偉にとってはスーパーフォーミュラでの走行経験がある数少ない国内サーキット。可夢偉自身も岡山に向けて「ここ(鈴鹿)よりはいい状態で行けると思う」と語るように、岡山ではいつものアグレッシブな可夢偉らしい走りを見せて欲しいところだ。

 可夢偉にはリザルトだけでなく、今回のレースで優勝したアンドレ・ロッテラーのような力強いレース内容、そしてコース上での圧巻のパフォーマンスが期待されている。それが、可夢偉の提唱するレースの「ストーリー」性や、「国内レースの盛り上がり」に直結していく。国内に復帰した今季、いちドライバーとしての役目を超えて、可夢偉の担う役割は大きい。

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