更新日: 2019.06.24 15:05
トヨタ 2019スーパーフォーミュラ第3戦SUGO レースレポート
2019年全日本スーパーフォーミュラ選手権 第3戦 スポーツランドSUGO
5番手スタートの小林可夢偉が2位表彰台獲得、ニック・キャシディも14番手スタートから追い上げ4位
梅雨の時期ながらドライコンディションで戦われたスーパーフォーミュラ第3戦SUGO大会は、スタート直後にピットインする車両と、ピットインせず走り続ける車両と作戦が真っ二つに分かれて、見えない敵との戦いとなるなか、後半次々に前車をパスし順位を上げた小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)が2位表彰台を獲得。14番手スタートからポジションを上げたニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)が4位でフィニッシュしました。
スーパーフォーミュラの第3戦が6月22日(土)、23日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。新型車両“SF19”の採用に加え、海外からの有力ドライバーや、国内も若き才能の新たな参戦により、開幕から目の離せない展開となっている今季のスーパーフォーミュラ。
第3戦は杜の都仙台郊外に位置するテクニカルなマウンテンコース、スポーツランドSUGOを舞台に戦われました。梅雨のさなかの開催ということもあり、天候も心配されましたが、結果的には予選、決勝ともほぼドライコンディションで争われ、2日間で2万6000人以上も集まったモータースポーツファンの見守る前で、激戦が展開されました。
◆予選◆
今大会、スーパーフォーミュラ開催コースとしては1周が最も短い(3.704km)スポーツランドSUGOでの新たな試みとして、予選時の混雑を避けるために予選を2グループに分け、10台ずつでQ1を行うこととなりました。2台参戦チームはそれぞれがどちらかのグループになるよう抽選が行われ、A組、B組それぞれ上位6台がQ2へ進出します。
22日(土)は前夜の雨が止み、徐々に路面が乾いていきながらも、時たま雨が落ちてくるという非常に難しいコンディション。スーパーフォーミュラの予選が行われる午後1時20分の時点では、雨がぱらつき始めウエット宣言が出されましたが、路面はほぼドライ、全車がスリックタイヤを装着し、雨で路面が濡れないうちに早めのアタックに入りました。
このA組のトヨタ勢は比較的若手が主となるなか、スーパーフォーミュラ5年目となる平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が最後の最後にライバルを0.007秒上回るトップタイムをマーク。しかし、このタイムアップにより、キャシディが僅か0.05秒差で7番手へとはじき出される形となり、山下健太(KONDO RACING)が8番手、ルーキーの坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)とアーテム・マルケロフ(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)が9、10番手でQ1敗退となりました。
対してベテランドライバーが顔を揃えることとなったB組のQ1が始まる頃には、雨がやや強さを増す気配が感じられ、こちらも各車早めのアタック。しかし、セッション中に雨は止み、路面コンディションは徐々に向上。この日午前中のフリー走行ではトップタイムをマークしていた関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は、早めのアタックを想定したセッティングでアタックしましたが、セッション後半ライバル勢にタイムを更新されることとなってしまいました。
このB組でもトヨタ勢が苦戦するなか、ル・マン24時間レースでの激闘を終えたばかりの小林が最後にタイムを更新しトヨタ勢最上位の3番手。前戦オートポリスで2位表彰台を獲得するなど上り調子、ここSUGOはフォーミュラ・ニッポンでの初勝利コースでもある大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)が5番手、石浦宏明(JMS P.MU / CERUMO・INGING)が6番手で3台がQ2進出。
国本雄資(KONDO RACING)は0.035秒届かず7番手、関口もこれに0.014秒差の8番手、ル・マンでの勝利凱旋となった中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)も僅差での9番手となり、Q2進出はなりませんでした。
Q2では、ソフトタイヤを装着した新型SF19の速さにより、コースレコード更新が続出。しかし、4台が進出したトヨタ勢は苦戦を強いられ、最後の最後にタイムを更新した小林が8番手で唯一のQ3進出。平川もコースレコード更新タイムをマークしながら、僅差の9番手でQ3進出ならず。石浦が10番手、大嶋が12番手でグリッドが確定しました。
Q3は再び雨がやや強まってくるなか、やはり全車スリックでアタック。しかし、ほとんどの車両がアタックに入り始めるタイミングの5分半過ぎに2台が続いてクラッシュを喫し、セッションは赤旗中断。そのまま終了という発表がされ、小林はアタック出来ないまま5番手グリッドから決勝レースに挑むこととなりました。