2022年08月20~21日
モビリティリゾートもてぎ
第7戦レポート
山本尚貴がポール・トゥ・ウインで今季初優勝、野尻智紀は3位表彰台を獲得
8月20日(土)~21日(日)、モビリティリゾートもてぎで全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第6大会(第7戦および第8戦)が開催されました。本大会はシリーズ開幕時と同様、土曜日に第7戦の公式予選および決勝が、日曜日に第8戦の公式予選および決勝が行われる1大会2レース制のフォーマットです。
土曜日は朝から雲が空を覆うコンディションとなりました。午前9時20分から行われた公式予選では、#64 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)が2020年シリーズ第5戦以来のポールポジションを獲得しました。3番手には#65 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が続き、シリーズポイントランキングをリードする#1 野尻智紀(TEAM MUGEN)が4番手に続きました。
予選はドライコンディションで行われましたが、午後になると上空には雨雲が垂れ込め、決勝レース前には雨が降り始めました。全車がスターティンググリッド上でレインタイヤへ換装、セーフティカー(SC)先導で第7戦決勝レースが始まりました。
4周目から実質的なレースがスタート。ポールポジションスタートの山本は、首位を守ったまま第1コーナーへ飛び込みました。以下、サッシャ・フェネストラズ(トヨタ)、大湯、野尻、#5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が続きました。
水しぶきを高く上げ後続に対して優位に立った山本は、2番手以降を少しずつ引き離していきました。レースが進むにつれ雨脚は強まり、2秒から3秒の間隔で走る山本、フェネストラズの後方では3番手の大湯に野尻が迫って3番手争いが激しくなりました。ところが、14周目のヘアピンコーナーで、大湯はシフトチェンジ機構のトラブルに見舞われて失速。このスキに野尻は難なく順位を入れ替え3番手へ進出しました。
その後、表彰台が見え始めた野尻はペースアップ。フェネストラズとの差を徐々に詰め始め、18周を終えたところで2台はテール・トゥ・ノーズの状態にまで迫りました。しかし、順位を入れ替えるまでには至りません。レース後半、雨脚が弱まると今度はフェネストラズがペースを上げ、野尻との間隔を開き、トップを走る山本に迫りました。しかし、レースも残り10周を切ろうというところで再び雨脚が強まり、山本がペースアップしていったんは縮まった両者の間隔は再び広がりました。
ここでコース上に停止した車両を排除するためSCが介入。これにより各車の間隔は縮まりましたが、残り7周の時点でレースがリスタートすると、山本はフェネストラズにスキを見せずに加速し、トップでレースを再開しました。その後、上位にポジションの変動はなく、37周を走りきった山本が今季初優勝を遂げました。
山本にとっては、2020年の第5戦鈴鹿以来となる自身通算9勝目。TCS NAKAJIMA RACINGにとっては、2020年の第6戦鈴鹿で大湯が優勝して以来の優勝でした。野尻が3位、牧野が4位、#15 笹原右京(TEAM MUGEN)が7位、#6 大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が10位に入賞してそれぞれ選手権ポイントを獲得しました。
山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)
「うれしいのひと言です。レース前、急に雨が降ったので、こうなったらドライバーのがんばり次第だなと、まずは失敗しないように心がけてレースをしました。後続の選手がいつペースアップしてきてもいいようにタイヤの管理はしていましたが、後ろが近づいてきたときには正直なところ、こちらに余力はありませんでした。でも最後、SCが出て、結果的には自分には風向きが良い方向で吹いてくれました。ここまでうまく行かないレースが続いたのですが、勝てるときというのは今日のように流れとなって勝てるのだから不思議です。腐らずにあきらめることなくがんばり続けて本当によかったです」
第8戦レポート
牧野任祐が3位表彰台。野尻智紀は4位でポイントリーダーの座をキープ
8月20日(土)~21日(日)、モビリティリゾートもてぎで全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第6大会(第7戦および第8戦)が開催されました。本大会はシリーズ開幕時と同様、土曜日に第7戦の公式予選および決勝が、日曜日に第8戦の公式予選および決勝が行われる1大会2レース制のフォーマットです。
夜半まで降っていた雨は上がり、翌日曜日のコースはほぼドライコンディションとなりました。午前9時15分から始まった第8戦の公式予選では、#65 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が自身初のポールポジションを獲得。#1 野尻智紀(TEAM MUGEN)が3番手、#5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が4番手に続いてスターティンググリッドが決まりました。前日第7戦でポール・トゥ・ウインを飾った#64 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)は8番手からのスタートとなりました。
午後の第8戦決勝レースでは、2番手スタートのサッシャ・フェネストラズ(トヨタ)の加速が鈍るスキに3番手スタートの野尻が並びかかって第1コーナーでオーバーテイク。トップの大湯に続いてレースを始めました。5番手からスタートしながら1周目に順位を7番手へ下げた牧野は、11周目にピットイン。レース序盤にタイヤ交換を済ませてレースに復帰しました。
2番手野尻は15周目、トップの大湯は16周目にピットイン。それぞれタイヤ交換を行いましたが、ピットインを遅らせた作戦が裏目に出て、早めのピットインに踏み切っていた#19 関口雄飛(トヨタ)と牧野の先行を許し、事実上の順位では野尻が3番手、大湯が4番手に後退しました。
一方、野尻、大湯よりも大幅にピットインを遅らせた#20 平川亮(トヨタ)は30周目にタイヤ交換を敢行。フレッシュタイヤに交換してペースを上げた平川は、32周目の90度コーナーで3番手の野尻をかわすと、34周目の5コーナーで牧野もオーバーテイクし順位を上げました。最終的には関口が優勝を飾り、平川選手が2位に入賞、牧野が3位に続いて表彰台に上がりました。
野尻は4位、大湯は5位でレースを終え、7位#53 佐藤 蓮(TEAM GOH)、8位笹原がそれぞれ選手権ポイントを獲得しました。この結果、野尻は選手権ポイントを113点に伸ばし、81点の2番手フェネストラズ、79点の3番手平川とシリーズチャンピオンの座をかけて10月29日(土)~30日(日)に鈴鹿サーキットで開催されるシリーズ最終大会(第9戦および第10戦)を迎えることとなりました。
牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「5番手スタートから表彰台には上がれましたが、やはり勝ちたいです。レース中『早めにピットインする戦略は失敗したかな』と思ったのですが、結果的にはよかったです。タラレバですけど、あそこ(タイヤ交換を済ませたあと)でもっとトラフィックがなければもっと(タイムを)稼げていたはずです。そうなっていれば平川選手に追いつかれることもなかったかもしれない。でも、あの状況のなかではやれることをやったと思うし、関口選手を追いかけて終盤はかなり追いついていた。ただ、このコースではあの距離まで近づくと(前走車のすぐ背後につけると)、ダウンフォースが抜けるためオーバーテイクは難しかった。今季も残すところ1大会2レース。予選でもう少し前へ行けたら決勝はもう少し楽な展開に持ち込めると思うので、よい結果を残せるようがんばります」
野尻智紀(TEAM MUGEN)
「2レース続けて勝てなかったことはとても残念ですが、攻めるリスクと獲得ポイントのダメージを最小限にするというバランスを考えて戦いました。鈴鹿では気持ちよく終われるよう準備をして臨みます」