更新日: 2024.06.05 13:22
TGR TEAM SARD 2024スーパーGT第3戦鈴鹿 レースレポート
DENSO KOBELCO SARD GR Supra
第3戦鈴鹿、不運なアクシデントで11位フィニッシュ
2024 スーパーGT第3戦『SUZUKA GT 3Hours RACE』(6月1〜2日)
鈴鹿サーキット(1周5.807km)
入場者数:予選1万7500名、決勝2万5000名 合計4万2500名
6月2日(日)曇天となった中でスーパーGT第3戦『SUZUKA GT 3Hours RACE』の決勝が行われ、14番グリッドから剛毅果断に勝利を目指していったスタート担当の関口は、7周目に12位にポジションアップ。だが13周目のシケインで64号車に右後部を接触され、大きく破損しパーツが脱落してしまう不運。手負いの状態となり最下位に転落し、そこから思うようにペースが上がらずに苦戦を強いられた。
30周を終え1回目のピットインでドライバー交代せず関口のダブルスティントを敢行し徐々に順位を挽回。59周を終え2回目のピットインで中山につないで、ベストラップタイムを刻みながら最後まで諦めない走りで89周目に1台をかわし最終的に11位まで順位を上げてフィニッシュとなった。
残念ながらドライバーポイント獲得ならず、ランキング7位(計19点)に、チームポイントは2点を獲得しランキング6位(計23点)となった。次戦第4戦は約2カ月後の8月3日(土)・4日(日)に富士スピードウェイにて350kmレースとして開催される。
■事前情報
今季の序盤戦を締めくくる第3戦の舞台は鈴鹿サーキット。大会公式画像に今年も描かれるなど期待も高く、チームの本拠地に近いため応援者も多く訪れる鈴鹿。ここまで開幕2戦連続ポイントを獲得しランキング4位となっているDENSO KOBELCO SARD GR Supra。
6月1日(土)午前に公式練習、午後にQ1+Q2のタイム合算式の公式予選、2日(日)決勝は13時30分スタート。レースは第2戦と同じく、3時間の時間制で争われ、給油を伴うピットストップは2回が義務付け。フルで約90周以上は周回すると見込まれる。ひとりのドライバーの最大運転時間は2時間まで。
サクセスウェイトは現獲得ポイントの倍となる38kgを搭載する。重量増による鈴鹿でのタイムの落ち込みは、38kgだと約0.7秒以上。タイヤの持ち込みセット数は、ドライ6/ウエット7セットで決勝スタートまで使うドライのマーキングは6セットとなる。
昨年の鈴鹿で予選上位や決勝2位獲得するなど、鈴鹿での相性が高まっているDENSO KOBELCO SARD GR Supra。この後、次の第4戦富士までは2カ月ほどインターバルが空くため、シリーズ後半に向けて大きく前進するためにも、ひと区切りとなるこの鈴鹿で大量ポイント獲得を強く望むところ。
2ストップの長丁場で今季2度目の3時間レース。前戦のデータを活かしつつ鈴鹿にアジャストした、いくつもの戦略をもって、状況に応じた臨機応変な戦いが要求され、最終的にチーム総合力で雌雄を決するであろう第3戦鈴鹿。
この時期の不安定な天気や運も味方につけたうえで、しっかりと実力を出し切ることが求められる厳しくタフな戦いが予想されるが、脇阪寿一監督のもと、チーム一丸に意志を強く持ち何事にも屈せずに思い切って実行し、剛毅果断に勝利を目指していった。
■公式練習走行
1日(土)9時45分から開始された公式練習走行は、気温25度/路面温度34度の快晴。想定したよりも若干気温が低い中、最初の85分間の混走セッションでは中山が、まず決勝へ向けてのタイヤ1セットをベディング。続いて持ち込んだ中でハード側のドライタイヤを装着して、クルマのセット調整を進めていった。まずは7周目に1分48秒345の10番手タイムをマーク。
続いて9周目から関口がリピートで同タイヤを評価しながらセット調整を進め、19周目から再び中山がステアリングを握り、そのままのタイヤでクルマのセット調整を行った。混走セッションではトータル28周を走行し、最初に中山が7周目にマークした1分48秒345のタイムで15番手となった。
10分間のGT500単独セッションでは、気温26度/路面温度42度と路気温とも大きく上昇。中山は新品のソフト側のドライタイヤを装着して予選アタックシミュレーションを実施。単独セッション5周目に1分47秒618のタイムをマーク。公式練習走行は、この単独セッションでのベストタイムで14番手となった。
今回は地元愛知県から近い鈴鹿サーキットでの開催とあってピットウォークは多くの来場者で賑わいを見せるとともに、鈴鹿サーキットのスペシャルプログラムで『Kidsピット訪問』が行われ、ピット見学とともにドライバーや監督との交流を深めた。
■公式予選
■Q1:中山がまさかのベストタイム抹消でQ1は失意の15番手タイム
1日(土)15時33分から開始されたタイム合算の公式予選Q1は、気温26度/路面温度45度と高いまま。気負い無く落ち着いた様子でクルマに乗り込んだ中山。今回持ち込んだ中で決勝の天候を見据えソフト側のタイヤを選択。コースオープンしてから2分強ほど待ってピットを離れた中山は、アタックラップまで安定したペースでタイヤを温めていった。
アタックと決めた4周目セクター1を、まずまずの29秒台を計時、続くセクター2で上位に迫る17秒台を刻んだ中山であったが、このセクションのデグナー2出口にてトラックリミットオーバーに。セクター3、4のタイムをまとめチェッカーを受け1分47秒825の14番手タイム。
だが、トラックリミットオーバーでベストタイムは抹消の判定となり、記録はウォームアップ中のタイムに。本来の実力を発揮できずにQ1は失意の15番手となった。
■Q2:関口がQ2で12番手タイム、合算は14位に
1日(土)16時29分のQ2開始時点は、気温26度/路面温度40度と路温が大きく下がり始めた。大きな差があるQ1記録タイムのため、合算で順位を上げる可能性は低くなってしまったが、明日の決勝へ向けてベストセットを探るために今できるチャレンジを精一杯するため、気持ちを切らさずクルマに乗り込んだ関口。
1周目2周目と丁寧にタイヤを温め、3周目からペースアップ。アタックの4周目、セクター1では中山のQ1区間タイムのとほぼ同じ、セクター2で僅か0.1秒遅れたが、セクター3では上位陣と遜色ない39秒台で駆け抜け、最終セクターも20秒台でまとめ上げた関口は、1分47秒606の12番手と気を吐いた。
DENSO KOBELCO SARD GR Supraは、公式予選合算タイムで14位とはなったが、決勝は3時間の長丁場。最後まで諦めずにチカラの限りを尽くすことをチームで確認し合って予選日を終えた。
■決勝
■ウォームアップ走行
2日(日)12時から開始された20分間のウォームアップ走行は直前の雨で路面が一旦ウエットに。気温24度/路面温度32度の曇天のなか、路面が乾いていくなかで最初に中山がウエットタイヤ5セットを連続で決勝へ向けて準備。その後、確認で3周走行。ウォームアップは終始中山がドライブしてトータル8周を走行し、1分56秒956の6番手で決勝への準備を終えた。
■決勝レース
第1スティント/第2スティント:関口がポジションアップも追突される不運
2日(日)、メインスタンドが大観衆でいっぱいとなった第3戦鈴鹿の決勝13時30分スタート時点は、気温25度/路面温度34度に。14番グリッドから剛毅果断に勝利を目指していったスタート担当の関口は、出だしペースの遅いクルマに前を塞がれた格好となったが、7周目に12位にポジションアップ。
だが13周目のシケインで後方から64号車に右後部を接触され大きく破損し、走りに影響するエアロパーツなどが脱落してしまう不運。手負いの状態となり最下位に転落し、そこから思うようにペースが上がらずに苦戦を強いられた。
30周を終え1回目のピットインでドライバー交代せず関口のダブルスティントを敢行。ストップ車両もあって徐々に順位を上げていき、59周を終え2回目のピットインで中山につないだ。
第3スティント:中山が最後まで諦めない走りで11位フィニッシュ
ベストラップタイムを刻みながら前を追いかけていく中山。手負いの状態でクルマのバランスが悪く、ペースを上げられない状態にもかかわらず懸命にステアリングを握り、最後まで諦めない走りで追い上げていき、89周目に19号車をかわし最終的に11位まで順位を上げてフィニッシュとなった。
残念ながらドライバーポイント獲得ならず、ランキング7位(計19点)に、チームポイントは2点を獲得しランキング6位(計23点)となった。次戦第4戦は約2カ月後の8月3日(土)・4日(日)に富士スピードウェイにて350kmレースとして開催される。
■関口雄飛
「走り出しからウエイトの重さの影響なのか、クルマフィーリングが良くなくて、あまり改善されないまま決勝を迎えてしまいました。決勝はポイント獲得を目指してスタートしましたが、ポイントを獲得するところまで挽回できず残念でした。次のレースは8月なので、それまでしっかりとこれまでの3戦を検証して、次は表彰台に上がれるように準備していきます。引き続き、応援をよろしくお願い申し上げます」
■中山雄一
「今大会に向けて選んだタイヤと天候、またそれに対してのセットアップもうまくまとめきることができませんでした。予選では少しでも上の順位を狙って攻めましたが、デグナーのふたつめでコースアウトしてしまい、とても残念でした」
「決勝では他車からの追突と不運なアクシデントもあり、今回は走り出しから終始良い流れをたぐり寄せることができませんでした。2戦続けて良いレースができていませんが、そこで得られたデータをしっかりと分析して、次のレースまでの2カ月間で遅れを取り戻すべく様々な分析と対策や改善が必要です。次戦こそ強いレースしたいと思いますので、引き続きご声援のほど、よろしくお願い申し上げます」
■監督 脇阪寿一
「鈴鹿はSARDのホームであることもあり、沢山のスポンサーの皆さまがご来場頂きました。ありがとうございました。また、Kidsピット訪問や、スタンドのファンの皆さんからのご声援にも感謝します。今週末は、そんな皆さまの期待に応える結果が出せず申し訳なく思います。さまざまなトライをしましたが、走り出しから、すべてが噛み合わず、何もできないレースになりました」
「次戦までインターバルが約2カ月間ありますので、ここまでの3戦のデータをしっかりと分析し、8月からの戦いに備えたいと思います。引き続き、TGR TEAM SARDの応援をよろしくお願いします」