しかし、公式練習開始から1時間09分というところで、GT300クラスの#360 GT−Rがメインストレートでクラッシュを喫してしまい、赤旗中断となってしまう。大きなクラッシュだったこともあり中断時間も長く、当初立川が行う予定だったアタックのシミュレーションをする時間がなくなってしまった。

 ただ、立川は公式練習終了後に行われたサーキットサファリの時間を使ってふたたびZENT CERUMO LC500のステアリングを握ると、良好なフィーリングを感じ取った。最終的に公式練習では、石浦が16周をこなしたうちの15周目にマークした1分28秒691がベストタイムとなり、GT500クラスの最速に。LEXUS TEAM ZENT CERUMOはポールポジション獲得に向けた手ごたえを感じ取った。

 迎えた午後2時55分からのGT500クラスの予選Q1。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは、石浦にステアリングを託し、残り9分を切ってコースインする。入念にタイヤに熱を入れた石浦は、まずは残り1分となったところで、1分28秒539という公式練習を上回るタイムをマークしていく。

 さらにZENT CERUMO LC500に鞭を入れた石浦は、チェッカーフラッグが提示された翌周には、1分28秒089をマーク。その時点で首位に躍り出た。しかし、その直後#36 LC500が0.033秒差で石浦のタイムをかわしトップへ。ZENT CERUMO LC500は惜しくも2番手となったが、それでもQ1突破には充分。Q2の立川にバトンを繋いだ。

 公式練習ではアタックのシミュレーションができていなかった立川だが、午後3時45分からのQ2で、訪れたファンを驚かせた。しっかりとウォームアップをこなした立川は、5周目に1分28秒101という素晴らしいタイムをマーク。これで首位に躍り出ると、さらに翌周には1分27秒825と、ただひとり1分27秒台に入れる会心のタイムをマークしてみせたのだ。

 この立川のタイムを破るライバルは最後まで現れず、立川は自身がもつポールポジション獲得記録を『22』に伸ばしてみせた。“富士マイスター”がその称号にふさわしい走りで、ZENT CERUMO LC500は第2戦富士を先頭からスタートすることになった。

 もちろん、LEXUS TEAM ZENT CERUMOにとって狙うは明日5月4日の決勝レースで、表彰台の頂点に立つことだ。チームはしっかりと準備を整え、500kmのレースに臨んでいく。

ZENT CERUMO LC500の立川祐路と石浦宏明、浜島裕英監督
ZENT CERUMO LC500の立川祐路と石浦宏明、浜島裕英監督

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