■ドライバーそれぞれが感想を語る
「応援していただいた皆さんにリタイアという結果を報告することになってしまい、申し訳ない気持ちです。予想できないシチュエーションで『これがスパなのかな』と思う部分もありますが、シリーズで参戦していないので、いろいろな流れやライバルの動きなど、見えない部分がありました」と片岡はレースを振り返った。
「明日になったら体も痛そうですが、(翌週のスーパーGT)富士に引きずらないようにしたいですね」
また、ヨーロッパでの知名度から多くの注目を集めた可夢偉にとっても、初めてのGT3でのレースは厳しい結果に終わった。
「目標の完走を達成できなくて非常に残念です。レースなのでアクシデントはありますが、とても不運なアクシデントに巻き込まれてしまいました。最後まで走りきれなかったので、このスパの難しさを改めて感じさせられたと思います」と可夢偉はレース後語った。
「GT3でこれだけの台数がレースをするので、いろんなことが起こりうるということを考えながらレースをしなければいけない、と感じさせられました。今年二度目の24時間レースで、またも夜を越えられなかったので、自分としては非常に心残りです。またチャンスがあれば、次こそは完走して、もっといい週末を過ごしたいと思います。たくさんの応援ありがとうございました」
そしてレーシングドライバーとして世界中で多くの経験を積んできた谷口にとっても、このスパ挑戦は大きな、そして新たな経験となったようだ。
「実際に走ってみて、本当に危険がいっぱいあるレースだなと。サーキットのレイアウトがまず刺激的でガンガンいかなければいけないし、出ているドライバーたちも、スプリントのように走っている。それにメーカーもこのレースに懸けている思いが違う。スパで勝つことへの思いは、僕が今まで見たなかでも感じたことがないレベルだった」と谷口は言う。
「ゴールできなかったのは残念だけど、ものすごくいい経験ができた。日本とヨーロッパでのレースに対する考え方の違いも感じることができたし、レベルの高さも“世界基準”も感じることができた。それはドライビングもそうだし、クルマの煮詰めの部分も」
「僕たちよりも速い人たちがたくさんいて、それはとてもありがたいこと。彼らから吸収することができれば、僕たちはもっと速くなれる。その意味では『痛い刺激』をもらいましたね。今回このチャンスをいただいたこのチーム、安藝代表には感謝したいです」
