決勝レース(66周) 8月6日(日)15:25~
決勝レースが行われる日曜日にも上空には雲が浮かんでいたものの、土曜日は灰色だったのに対して白く変化。
これならば、雨の心配はなさそうだ。ゴールデンウイークに比べれば少ないものの、それでも夏休みの真っ最中ということもあり、家族連れの観客でスタンドは満員に。子供たちが、この先も長くレースファンでいてくれることを願わずにはいられない。
20分間のウォームアップを最初に走行したのは、スタートも担当する久保選手だ。コースオープンとともにピットを離れ、4周を走行。
その間に100Rでオーバーランするも、すぐにコースに復帰、直前には1分41秒101をマークする。そしてピットに戻ってドライバー交代の練習も行い、そこからは嵯峨選手が。やはり4周して最終チェックを済ますとともに、嵯峨選手は40秒983をマークしていた。
「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」がグリッドに並べられた時の気温は29度、路面温度36度は想定の範囲内。まさに上々のコンディションとなっていたことになる。
フォーメーションラップの後、絶妙のダッシュを決めた久保選手ながら1コーナーまでの逆転は果たせず。だが、その進入時にブレーキロックさせてコースアウトしていた車両もあって1台をパス。
オープニングラップを5番手で終えることとなった。そして3周目のコカコーラコーナーで1台を抜き、久保選手は早々に4番手に躍り出ることに。
その後、トップのBMWだけが逃げる格好となったが、2番手争いは白熱。4台が一列に並ぶも、あえて攻めの姿勢に出ることなく久保選手は周回を重ねていった。
それが何を意味していたかは、間もなく明らかになる。上位陣では最も早い22周目に「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」はピットイン。タイヤ無交換として21.7秒という最小限のロスで、嵯峨選手はコースに送り出されたからだ。
熱の入ったままのタイヤということもあって、アウトラップのペースも速く、約20秒を稼ぐことに成功。
トップのBMWがドライバー交代を行なってコースに戻った35周目には、嵯峨選手は事実上の2番手に立ち、その段階で3秒以上の差を徐々に詰めて、やがて背後に迫るまでとなる。が、トップのタイヤに熱が入るとペースは上がり、次第に遅れをとるようになっていた。
さらにメルセデスも近づいてきて、しばらくの間、激しい攻防は続いたものの、トップのBMWにしてもFIA-GT3勢とはベースの速さが異なることから、無理は禁物と嵯峨選手は判断。41周目のレクサスコーナーでインを差してきたメルセデスに対して、あえて閉めることはせず。
これが好判断だったことは、ゴール間際に同じJAF-GTのスバルも近づいてきたことで証明される。もしBMWやメルセデスに対して必死に抵抗して、自分のペースで走れなくなっていたなら、追いつかれて、極端な話、抜かれていた可能性とてなかったわけではないからだ。
そのスバルは結局、3秒差までに来ていたが、嵯峨選手は難なく逃げ切りに成功。「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は3位でフィニッシュし、嵯峨選手にとっては今季初の、そして久保選手にとってはデビュー2年目で、正真正銘初めて表彰台に上がることとなった。
次回のレースは3周目に控える鈴鹿、そして伝統の1000kmとしては最後の開催となる。大量得点も可能な一戦、現在の「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」のポテンシャルを持ってすれば、ミスなく走りきれたならば今回以上の成果も期待できるはず。今年いちばんのビッグレースとなることが、大いに期待される。