137周目には14番手を走行していたMOTUL NSXのバトンの右フロントタイヤにアクシデント発生。スローパンクチャーのような状態になり、緊急ピットイン。今回の鈴鹿1000kmで注目を集めたバトンのGTデビュー戦、最後はアクシデントという形で終わってしまった。
140周になると、最後の5回目となるピットインが始まる。まずは3番手走行のWedsSportがピットイン。最後のスティントは事前の予定では可夢偉の順になるはずだったが、関口がステアリングを握っている。
続いて142周目からはRAYBRIG、KeePerの3番手争いのチームが続々ピットイン。147周目にはトップのEpsonがピットインし、タイヤ交換を終えた瞬間、スプーンで衝撃的な映像が。Epsonのピットインでトップに立ったKEIHINの左リヤタイヤがバーストし、KEIHINはスプーンで大きくコースオフ。左リヤはカウルも破損してホイールが見えている状態に。KEIHINのステアリングを握っていた塚越広大はバックストレートの途中でマシンを止め、クルマを降りる。終始トップを争っていたKEIHINがここで戦列を去った。
2番手に18秒差を付けて独走状態になったEpsonは松浦孝亮がステアリングを握る。アウトラップのデグナーふたつめではオーバーランして会場を驚かせるも、その後は2番手のMOTUL GT-Rに一時詰め寄られながら、序々に2番手を引き離し始める。
後方では3番手のDENSOと4番手RAYBRIGが表彰台をかけて接近戦。157周目のシケインではRAYBRIGの山本がDENSO平手晃平のインに入って並び掛かるも、止まりきれずに平手がクロスラインで抜き返し、順位は変わらず。山本もすぐにマシンを立て直し、平手の後方にぴったりと付く。
161周目に再び山本が平手に並び掛かるも、ブレーキングは平手が勝る。しかし、166周目のシケインのブレーキングで平手はリヤのグリップが厳しくなったかマシンの挙動が乱れ、その隙を山本が突く形で最終コーナーで並び掛かり、1コーナーでアウト側から3番手を奪った。
そして、その直後の167周目に再び衝撃的な映像が。逆バンクでGT300の2番手を走行していたVivaC 86MCがクラッシュバリアに突っ込み、フロアを上にひっくり返っている状態に。経緯は不明ながらFROが発動。ドライバーはマシンから脱出して大事には至っていないようだ。
GT500では4番手順位を下げたDENSO平手のマシンの挙動がおかしく、タイヤのグリップがなくなってしまったか、ブレーキのトラブルか、後続に先行を許し、最後はデグナーふたつ目を曲がりきれない形で真っ直ぐクラッシュバリヤに突っ込んだ。平手はマシンを降りて無事な様子だが、1000kmの終盤はアクシデントが多発し、壮絶なサバイバル戦になっていく。
セーフティカーが2度入ったこともあり、最後の1000kmながら日没の影響で18時28分終了の時限レースに。最後は2番手に20秒差のアドバンテージを12秒差まで縮められながら、Epsonがトップチェッカー。ナカジマレーシングとしては2007年以来となる10年ぶりの勝利を挙げることなった。
2位にはMOTUL GT-Rが入り、レクサスLC500の圧倒的な強さがこれまで見られたなか、MOTUL GT-Rがランキングトップに。3番手には中盤と終盤に圧巻の追い上げを見せたRAYBRIGが入り、日が沈みかけた夕暮れの中、大きな拍手に包まれながらウイニングランが行われた。
