■『Road to GT500』。新たな目的地への船出

“新たな目的地”に向け、武士の腹は決まった。さっそくスーパーGT第5戦富士では、『Road to GT500』と書かれたラバーのリストバンドを作り、チームスタッフがそれを着けた。いま、武士はふたたび前を向き、VivaC team TSUCHIYAは新たな目的地に向け、船出を始めた。

「今まではこれ以上支援をしてもらうわけにはいかないと思っていたけど、新しい目的地が決まったからには、もっと仲間を増やさないといけない。それはチームオーナーとしての仕事だし、またハードルが上がっている。またいいチャンスをもらったなと」

「『つちやエンジニアリングをGT500で見たい』と思ってくれる人がたくさん集ってくれたら、きっとそうなるんだろうなと。だから、仲間を増やして頑張ろうと思います。また2014年に戻っちゃうけど(笑)、情熱だけはあるし、仲間はいる。それでたどり着けるかやってみます」

 武士は「この間の鈴鹿のクラッシュも、オーナーとしては今までにない馬鹿でかいハードルだけど、自分で乗り越えたいと思った。そうやってモチベーションも上がってきたしね。やれるうちは全力でやりたい」と、S字でクラッシュしたVivaC 86 MCを修復させ、タイへ空輸で送った。新たなカウルを装着されピカピカになったVivaC 86 MCは、武士の新たな思いを反映しているかのようだった。

 GT500というハードルは、スーパーGTファンなら分かるとおり、相当に高いものだ。「できるわけがない」という人もいるだろう。だが2014年、チームがGT300チャンピオンを本当に3年後に獲ると思っていた人が、武士以外にいただろうか? 武士はそうやって、周囲を驚かせてきた男だ。いつになるかは分からないが、白いゼッケン25番を着けたマシンが走るときが、きっと見られるはずだ。

松井孝允と松井宏太の兄弟が巻く『Road to GT500』と書かれたラバーストラップがそれだ。
VivaC 86 MC

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