<決勝>
決勝直前のウォームアップ走行でアクシデントがおきた。黒澤/蒲生組の右フロントのホイールナットがはずれかかって、コース上にストップ。このトラブルで修理作業に時間がかかり、ピットスタートとなってしまった。
トップの松井/佐藤組は、タイヤ無交換作戦が予想された。新田/阪口組は、2番手をキープして序盤戦を走行。GT500クラスのマシンがクラッシュしてセーフティカーがコースイン、以後レースが再開されるとともにピットインしてタイヤを4本交換、ドライバー交代してレースに復帰した。
迅速なピット作業で大きくタイムロスすることなく、タイヤ無交換作戦でトップ走行中の松井/佐藤組に続いて2番手をキープ。タイヤの摩耗に苦しむトップに対して、コンディションの良いタイヤで差を詰めていった新田/阪口組は残り8周で待望のトップへ。
その後は、追いすがるMCやJAF-GTを引き離してゴール。残り3周となった時点で、高木/福住組が6番手に順位アップして5ポイントを獲得している。
<ドライバーのコメント>
新田守男選手
「決勝日もおなじように路面温度が高くなると予測されていたので、それに合わせたタイヤを選んで予選を走っていました。でも、路面温度が上がらず決勝は10度くらい低かった。だからスタート以降は厳しい走りになることは覚悟していましたけれど、意外に大きく離されることもなかった」
「マザーシャシー勢がタイヤ無交換をやることは分かっていたので、自分たちのタイムロスをどれだけ挽回できるか考えて、(阪口)晴南が走る後半のタイヤを決めました。晴南が走り始めてからは、いいパフォーマンスをみせてくれたので安心しました。ブリヂストンタイヤの見事なパフォーマンスで、思っていた以上に早くトップ(の25号車)に追いつくことができました」
阪口晴南選手
「開幕戦でも勝っていますが、あの時はレースが短縮されて僕自身は乗っていませんでした。今日は自分も走って思いっきりプッシュ。疲労感と達成感を感じています。レース前半は、厳しそうでしたが新田さんが粘って走っているのは分かって、すごいなあと見ていました。そして新田さんからのアドバイスで選んだタイヤに交換することになりました。このタイヤチョイスはとてもいい選択でした」
「アウトラップから速く走れたのですが、そのままフルプッシュし続けると最後に厳しくなるかもしれないとおもい、80~90パーセントでプッシュしていきました。ピットからトップとの差を聞きながら、影山監督からは、追いついたら後ろについて様子をみるのではなくスパッと抜くように、とアドバイスされていましたが、そのとおりに一気に追い抜くことができました。逆転した後ぐんぐん引き離すことができ、ここで優勝できると確信しました」
<ブリヂストン MSタイヤ開発部マネージャー:松本真幸のコメント>
「GT500クラスと同じく、GT300クラスでも厳しい状況のなかでパフォーマンスをちゃんと発揮できたと思います。ライバルたちはタイヤ無交換、または2本交換でピットストップのロスタイムを短縮してくるのは予想していましたが、K-tunesさんは本来のセオリーである4本交換で堂々と勝利してくれました。タイヤのチョイスも作戦もベストでした。そして、ARTAさんの頑張りでシーズンの序盤でランキング1位、2位を達成しています。これを維持できるようにサポートしてまいります」
