SUPER GT Rd.3 Suzuka300km RACE
ARNAGE RACING Team Release
セーフティカーのタイミングが合わず、上位浮上のチャンスを逃すも、完走ポイント3点を獲得。
前戦富士ラウンドをほぼ無傷で終え、約3週間のインターバルの間に、ファクトリーでじっくりメンテナンスできたARNAGE AMG GT3は、準備万端で第3戦鈴鹿GT300kmを迎えることができた。ファクトリーでは鈴鹿サーキットのコースの特性を活かしたセットアップと作戦が練られたが、週末の天気予報は30度を超える高温が予想されており、タイヤのチョイスが命運を分けることは間違いなかった。
5月25日(土)予選日
天候:晴れ/ドライ
気温28度/路面温度42度
入場者数:2万1000人
搬入日から真夏を思わせるような暑さとなったレースウイークとなったが、予選の行われる土曜日も、朝からギラギラと太陽が照りつける季節外れの暑い晴天となった。
鈴鹿大会から新構造のタイヤの供給をうけたチームは、午前中の公式練習のメニューをおもにタイヤテストに当てて、加納、山下両選手がピットイン、ピットアウトを繰り返し、セットアップの方向性を探った。しかし、新構造のタイヤは摩耗が激しく、決勝を戦うには無理があると判断したチームは、やむなく富士大会まで使用していたタイヤで予選を戦うことを決断した。(ベストラップは18周目に山下選手が出した2分1秒555)
午後になると暑さはピークを迎え、予選の行われる頃には路面温度が40度を超えていた。Q2進出を目指す山下選手は、早々にアタックを開始。3周目に1分59秒901をマークしてピットに戻ってきた。その後赤旗中断などもあって、Q1は早くも荒れた展開となったが、山下選手の出したタイムは24番手でQ2に進むことはできなかった。
5月26日(日)決勝日
天候:晴れ/ドライ
気温:29度→28度/路面温度:39度→40度
入場者数:3万6000人
決勝の行われる日曜日も晴れて心配げのない晴天に恵まれ、大勢のモータースポーツファンが鈴鹿サーキットに詰めかけた。路面温度の上昇が予想されるなか、経験上、序盤にセーフティカーの入る可能性にかけたチームは、今シーズンも加納選手を鈴鹿ラウンドのスタートドライバーに指名した。
ハイスピードコースの割にエスケープゾーンが小さい鈴鹿サーキットでは、ポジション争いが激化しタイヤへ負担が大きくなる序盤にセーフティカーが入ることが多く、上位グループに追いつけるチャンスがある。チームはルーティンピットのタイミングを15周に設定し、レースを開始した。
24番手からスタートした加納選手は3周目にベストラップをマークし、着実な走りでスティント中盤に22番手に浮上、予定通り15周でピットに呼び戻された。ところがマシンがピットレーンに入ってきたとき、GT500クラスのマシンがクラッシュ、セーフティカーが導入された!
あまりに予想通りの展開だったが、チームは正確なピットワークで給油とタイヤ4輪交換を行い、第2スティントの山下選手がコースに戻って行った。しかし、ほんの10秒遅く、山下選手がコースに出た時には、GT300クラスのトップ25号車が既にARNAGE AMG GT3の前に出ていて、ARNAGE RACINGは1周遅れの状態になっていた。
全車がグリッドに整列し、レースが再開されたときには50号車は既に1周遅れの不利なリスタートとなってしまった。レース中盤を過ぎても気温の高い状態は続き、路面温度も40度と過酷なコンディションが続いていた。バーストやクラッシュが発生するなか、28番手からレースを再開した山下選手は、気落ちすることもなく、地道な走行を続けて少しずつ順位を回復していった。
しかし、タイヤの摩耗が激しく、コースコンディションを克服することは困難で、結局24位でチェッカーを受けた。とはいえチームは厳しいコンディションのなか完走ポイント3点を獲得、次戦タイラウンドに向けて大きなダメージもなくレースを終了することができた。